「坂道が多いエリアの人のためのセッティングや、寒冷地用のセッティングなど、運転する地域の特性に合わせたモードも用意していけたらと考えています」(楠さん)
楠さんは、日常の“相棒”としてずっと乗り続けたいと愛着を持ってもらえる1台を目指すという思いも込めて、mibotを「小型モビリティロボット」と呼んでいます。
自動運転化を見据えて
大学と共同研究を進める
2025年は、本拠地である広島と東京で初年度生産分300台を世に送り出し、26年には3000台の本格量産開始を予定。KGモーターズでは、さらにその先に「自動運転化」を見据え、大阪大学大学院と共同研究を進めています。
「人口減少や過疎化が進む中で、公共交通機関の維持が多くの地域で課題となっています。それは中山間地域に限った問題ではなく、人口が10万人、20万人いるような地方の中堅都市にも広がっています。もし、公共交通機関が廃止になった場合、地方ではやはりクルマでの移動が中心になります。
そのとき、1人乗りで極限まで所有コストを抑えたモビリティが選択肢としてあれば、交通難民を1人でも減らせるのではないか。さらに、自動運転が導入できれば、『誰もが楽しく、安全で快適に、手頃な価格で自由に移動できる』という、私たちが目指す『持続可能な移動』が実現できると信じています」
日常の買い物や通勤など実用性の高いモビリティとして、これから超小型EVが、私たちの新たな日常の足として活躍する日も近いかもしれません。

■乗車定員 1人 ■航続距離 100km ■充電 AC100V/5時間 ■最高時速 60km/h
■価格 110万円(税込) ■サイズ 2490mm×1130mm×1465mm ■重量 430kg
■ソフトウェア OTAアップデート/コネクティッド ■規格 原付ミニカー
■免許 自動車普通免許 ※開発時点での値。今後、仕様が変更となる可能性があります。
写真提供:KGモーターズ