
社会人が「メンタルヘルスの不調」を抱えたとき、大切なのは「休職」という選択を取ることだ。だが、休職したとして“復職できるのか”と不安に感じる人も多いだろう。復職までにどのような段階を経て回復していくのか、1万人以上のビジネスパーソンと向き合ってきた産業医が解説する。※本稿は、武神健之『未来のキャリアを守る 休職と復職の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。
休職している人たちが
通る3つの時期
私は、メンタルヘルス休職をしている人たちとの産業面談を月1回、積極的に行っています。「最近の調子はどうですか」という言葉で始まる産業医(編集部注/事業場において労働者が健康で快適な作業環境のもとで仕事が行えるよう、専門的立場から指導・助言を行う医師)面談です。
休職している社員の生活の様子を聞いたり治療状況(通院頻度、内服薬など)を確認したりし、今どのような時期にあるのかと推測してから、そのときに必要なことをヒアリングし、提案しています。
休職している社員には、大きく分けて3つの時期があります。3つの時期には明確な基準があるわけでありません。あくまで「今はこの時期なんだな」「この時期とこの時期の移行中だな」と、状況を整理するために捉えるためのものです。

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