法による取締りが及ばず販売されてしまったものの、販売の現場では「抵抗」があった。報道によれば、タワーレコードや楽天ブックスではこのCDの取り扱いを中止していたという。
しかし、ニューセンチュリーレコード社のHPからの直販売は予定通り行われ、発売日すぐからフリマサイトで取引されているらしき様子が見受けられた。SNSなどでの発信では販売を非難する声が圧倒的だが、この状況をいいことに転売で儲ける輩がいるようだ。
SNSなどインターネット上の反応は非難轟々である。ざっと見た限りだが、このようなことが合法的に行えてしまう現実を憂う声が多く見られる。世論が圧倒的に反対を示しても、販売元が評判を気にしないタイプであれば、今回のようなことが起こってしまう。
ネット上では強い非難の声
20年前だったらどうだったか
また、今回ネット上から強い非難の声が上がり、マスコミ報道するに至った点については、性的な画像の扱いに関する意識が昔とは変わったことを感じた。10〜20年ほど前であれば、「一度撮らせてしまった落ち度があるから仕方ない」とか「合法なのであればしょうがない」といった声が大きく、抗議の声が広がらなかった可能性もあるように思う。
八代さんはその歌唱力のみならず、人格も深く愛された歌手だった。女子刑務所の慰問をボランティアで続けていたエピソードは有名だ。こういう人だったからこそ、この事態を重く見た人が多かったこともあるだろうが、この10〜20年ほどで性的同意の重要性やリベンジポルノの悪質さが社会に知られるようになったことと無関係とは思えない。
芸能界ではここ数年、フジテレビや旧ジャニーズ問題などが大きく報道され、大物芸能人が何人も退場を余儀なくされている。芸能界の中で、女性や未成年の少年少女が搾取されてきた過去があることを、「昔のことだから仕方ない」では済まないと示したのが、今回の八代さんの一件であるようにも感じる。社会の意識に合わせて法もアップデートされていくべきだ。