また、週刊女性の取材に対して、早川氏は以下のように回答している。

「あるとき楽屋で亜紀と一緒になったとき“亜紀ちゃん、元恋人が撮ったポラロイド写真とか、全部オレのとこに移行しているからね”と話したんです。そして“よかったらさ、亜紀ちゃん買い取ってよ”と気楽に聞いたんです。すると“私、お金なんかないから”と言うんですよ。そこで“お金がないならしょうがないね”と、そこで話は終わったんです。だから、亜紀もヌード写真が私の手元にあるとは知っていたはず」(週刊女性4月11日記事より引用)

 実際にこのようなやり取りがあったのだとすれば、八代さんの心境はどのようなものであったのだろう。このやり取りが行われた年代は不明だが、女性芸能人の性的画像に関して昭和・平成初期は扱いが軽く、盗撮と思われる画像を堂々と掲載する雑誌もあった。今では考えられない人権侵害が横行していた時代に、このような「交渉」に抗議することは難しかったのかもしれない。

 ニューセンチュリーレコード社のインスタグラムの投稿(4月10日)では、「最近 八代亜紀に関する者達によって 同一人物と思われる悪質な内容記事が 多く見受けられます」などと書かれており、冷静な判断ができる状況ではないようにも受け取れる。コメント欄には批判が殺到している。

「リベンジポルノに該当する」
という声も

 八代さんの著作権などの管理は「八代ミュージック&ギャラリー」が行っているという。代表取締役の大野誠氏は14日に「極めて不愉快な出来事であり、絶対に許すことのできないもの」と声明を発表した。

 また、ニューセンチュリーレコード社の所在地が鹿児島市であるため、18日には鹿児島県の塩田康一県知事が「みなさんの声を受け止めて良識的な判断をしてほしい」と話すまでに至った。

 故人が公開を承諾していないと思われる写真がなぜ販売されるのか。そもそも写真が人の手にわたる時点で八代さんの意思確認はあったのか。何十年前のことだけに定かではなく、現在権利を持つと主張するニューセンチュリーレコード社によるこの写真付きCDの販売を現行法では止めることができなかった。

 識者からは「20代の頃にプライベートで撮影されたヌード写真を本人の許諾なく死後に発売することは、リベンジポルノに該当し、違法となる可能性」があると指摘されている。

 ただしリベンジポルノ防止法は親告罪であるため、遺族による告訴が必要となる。