上昇するか下降するか瀬戸際の「MARCH」

――こういった議論だとよくMARCHの名前も挙がりますが、MARCHのレベルは上がっているのでしょうか、下がっているのでしょうか。

びーやま:非常にむずかしい質問ですね。正直、今のMARCHは上昇するか下降するかの境界線に立っている印象がありまして、現状でははっきり答えられないです。

――どういうことでしょうか。詳しくお聞かせください。

びーやま:近年、MARCHの各大学は指定校推薦を中心に推薦制度で多くの学生を確保してきました。しかし、なかには本来MARCHの学力レベルに達していない学生も多くいます。

 一方で、一般入試でMARCHに入学する学生の多くは早慶や有名国公立落ちであり、MARCHの中では高い学力を持っています。

 要するに大学内での学力差が大きくなっているのが今のMARCHなのです。その意味で、どちらの方向に舵を切るかで各大学の明暗はわかれると思います。

 もちろん、推薦入試の中にもかなり優秀な学生はいるので、そういった生徒を育てていくという戦略はあると思いますし、各大学一般入試のやり方もかなり工夫をしてきていますから、基本的には上昇していくだろうと予測はしているのですが。

――そういう背景があるのですね。知りませんでした。

びーやま:もちろん大学は偏差値がすべてではありませんが、一方で基本的な学生レベルを担保してくれるものでもあります。

 いきなりMARCHの偏差値が下がるというケースはないかと思いますが、偏差値とはジリジリ上下していくものなので、慎重に見ていく必要があると思います。

 いずれにしても、今の受験生や親御さんには大学選びの際に偏差値だけではなく、その背景にある大学の戦略なども見ていただけると、より自分のレベルに合った大学を選べるのではないかと考えています。

――よく理解できました。ありがとうございました。

びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。