無用な電話を減らす
効果的な方法とは

 連絡を取り合う方法として、メール以外にも、電話やメッセンジャーなどの方法がある。北村氏も相手や要件によって使い分けていると話す。

「例えば、30分以内に2~3通くらいの頻度でメールのやり取りをしている場合は、メッセンジャーに切り替えませんか?と提案します。メッセンジャーであればスタンプも活用でき、メールよりもスムーズに話が進みます。私自身は好んで電話する方ではありませんが、高齢の経営者の方など『どうしても電話じゃないと』という方には電話をしますし、話したほうがメールでの煩雑なやり取りを省ける場合には電話します」

 電話は確実な連絡手段ではあるが、受ける側は予定外の電話対応によって自分の決めたスケジュールが崩れてしまうという難点がある。

 その場合、北村氏は予定外に電話がかかってきたときの対処法も事前に決めているのだという。

「集中力を要する業務をしている最中に電話に出ると生産性はかなり下がるので、私はなるべく通話はしないようにしています。それでもかかってくる場合は、かかってきた電話は一旦出ないでおき、メッセンジャーなどで『メールやLINEで連絡をお願いします』と伝えます。その後、送られてきた内容を見ると緊急性が高くないケースがほとんどです」

 電話を好まない人であれば、無理して出るよりも、そういった対応をすることで相手にも「この人は電話ではなくメールで連絡してほしい人なんだな」と理解してもらえ、無用な電話の着信数も減る。

 メールと電話、メッセンジャー、どの連絡手段を使うのかは、相手や要件、個人の好みによって変わってくるが、状況に応じて臨機応変に使い分けていこう。

 ここまで見てきたように、今でこそ仕事で電話やメールに悩まされる時間があるが、北村氏は「いずれその作業も不要になる」と予想する。

「近い将来、メールの返信はAIに任せられるようになる時代が訪れるでしょう。AIがメールを書いて、人間は最終承認ボタンを押すか、書き直しの指示を出すようになると思います。今はまだ自動化とまではいきませんが、AIで文章を作成してくれる機能があるので、練習がてら使ってみると楽になる作業があるかもしれません」

 日々の業務の中でちょっとした工夫を施すことで、メールに振り回されにくくなる。

 メールの対応をサクサクと済ませ、クリエイティブな仕事に自分の時間と労力を使えるようになりたいものだ。