「私は、マニャーナの法則を少しアレンジして運用しています。基本的には来た順に処理していますが、『了解しました』など2分以内に返信できるものはその場で返信します。また、ざっと確認して緊急性が非常に高いものだけはその場で対応することにしています」

 マニャーナの法則に従うだけでなく、このようにアレンジを加えることで二度読みの無駄を省きつつ、来た順にスムーズに処理することができる。

上司へのCCメールは
読まれていない可能性も

 そして、対応すべきメールの数そのものを減らす工夫も必要だ。

 メールの数が増える原因のひとつが「CCメール」。経営者である北村さんの元には、日々、多くのCCメールが届くというが、どのように対応しているのだろうか。

「CCメールを受信フォルダに入れるとメールの数がかなり増えてしまうので、私はCCメールを別フォルダに振り分けています。自分とは関係がない内容もあるので、丁寧に1つ1つ開いて確認もしないんです。私のようなタイプもいるので、上司をCCに入れて報告したつもりになってしまうのはちょっと怖い。CCメールの宛先全員がそのメールの内容をしっかり確認しているとは限らないので、報告すべき内容があるなら、その上司宛てにメールを送るべきです」

 特に若手は、上司をCCに入れて安心し、自分の感覚で「メールしたのだから見ているだろう」と思ってしまうことが多い。しかし実際、上司は若手社員が想像する以上に多くのメールを受け取っており、すべてに丁寧に目を通すわけにはいかないのが現実だ。

 また、自分からCCメールを送るときにも、相手への心遣いとともにメールの数を減らす工夫ができると北村氏は語る。

「複数人にメールを送る場合、『確認したら返信不要です』と一文を書き添えておくだけで、受信するメールを大幅に減らせます。CCメールを受信した側は『了解です』などの返信を送る手間が省けるし、送信者は返信のメールの数を減らせますよね」

 日々受け取っているメールは、本当に自分にとって確認する必要のあるものなのか、いま一度見直してみよう。そうではないメールが多く届く場合には、減らす工夫をすることで、不必要なメールに振り回されることも減るはずだ。