北村氏は、ゲームアプリ会社の創業と売却、5社の役員を務めながら飛び級で大学院を修了し博士号を取得、40以上のプログラミング関連のコンテストで受賞などの数多くの実績を持つ若き経営者だ。起業、経営、研究と多方面で成果を出すために、タスク管理の方法を研究、実践し続けてきた。
仕事ができる人は
メールの返信が早い?
前出のメールに悩む会社員・Aさんは「仕事ができる人ほどメールの返信が早い」との印象を持っていたが、北村氏は「まずは、その考え方を少し変える必要がある」という。
「仕事ができる人はメールの返信が早い傾向にあることは間違いないと思いますが、返信のスピード感が仕事の優秀さに紐付いているかというと、そうではないと考えています。仕事ができる人はスケジュール管理が上手いので、限られた時間の中で優先度の高いタスクを着実にこなしており、その結果として『メールの返信が早い』という印象を周囲の人から持たれるのだと思います」
仕事を効率的にこなすビジネスパーソンは、そもそもメールの返信に追われていないのだ。また、北村氏は「メールの返信は早ければいいとは限らない」と話す。
「個人的には、あまりにも返信が早いと自分も早く返信しなければならないようなプレッシャーを感じます。むしろ、そこまで早く返さないほうが相手のためになるのではないでしょうか」
実は、一般社団法人日本ビジネスメール協会が実施した『ビジネスメール実態調査2024』によれば、7割近い人が「24時間以内に返信がこないと遅いと感じる」と回答している(※1)。
なるべく早く返すために努力するよりも、相手に「遅い」と感じさせない程度に丸一日以内の返信を心がければ問題はなさそうだ。
そのほか、メールに対応する時間帯について、北村氏は「IF-THENプランニング」という手法に基づいて決めているという。