チエミの『テネシーワルツ』に対し「日本のワルツを…」と古賀政男が神楽坂芸者、はん子に提供した『ゲイシャ・ワルツ』が大ヒット、「コロムビア歌謡コンクール」優勝者、コロムビア・ローズは会社の期待を一心に受けた芸名で『娘十九はまだ純情よ』でデビューしてスターの階段を駆け上がる。

「貧乏人は麦を食え」と言われた時代、昭和歌謡はなぜ大衆に愛されたのか『流行歌で振り返る昭和100年』(合田道人、笠間書院)

 スポーツ界では、インド・ボンベイで開催の世界卓球選手権で団体女子など4種目が優勝し、プロ・ボクシングの白井義男がフライ級タイトルマッチでダド・マリノを破り日本人初の世界王座に。またヘルシンキオリンピックは、戦後はじめて日本選手団を送り出して、レスリングの石井庄八が金メダル。

 そんな明るい話題が飛び交う中、9月3日、対日講和会議がサンフランシスコで開催され49ヵ国の代表が条約に賛成し調印。ついに日本は自力で歩み出すことになったのである。

この年を彩ったその他のヒット曲
●『あゝモンテルンバの夜は更けて』渡辺はま子、宇都美清
●『あこがれの郵便馬車』岡本敦郎
●『オロチョンの火祭り』伊藤久男
●『カモンナ・マイ・ハウス』江利チエミ
●『こんな私じゃなかったに』神楽坂はん子
●『チャカリルンバ』久慈あさみ
●『ビビディ・バビディ・ブー』江利チエミ
●『白虎隊』霧島昇
●『弥太郎笠』鶴田浩二
●『別れの磯千鳥』近江俊郎