安室奈美恵のファッションをまねた女の子たちのことだ。厚底ブーツに超ミニスカート、ロングヘアに細眉、小麦色の肌。安室は同世代の女の子たちのファッション・リーダーだった。

 安室奈美恵19才。『Don’t wanna cry』で「日本レコード大賞」を史上最年少で獲得。翌年も『CAN YOU CELEBRATE?』で2年連続の大賞受賞。小室哲哉がプロデュースする作品、ことごとくメガヒットに。

 globe(小室、マーク・パンサー、KEIKOの音楽ユニット)の『DEPARTURES』は230万枚、ファーストアルバム『globe』は400万枚以上を売り上げる日本記録。小室の恋人と噂された華原朋美の『I’m proud』も大ヒットした。

「コギャル」「ルーズソックス」「プリクラ」に、罪悪感を持たずに性を商品化する「援助交際」も世間を騒がせていた。相川七瀬の『夢見る少女じゃいられない』のヒットがそんな時代を表していた。

 電子音主体のダンスミュージック全盛の中で、どこか懐かしくも新鮮な音楽のスタイルで注目されたのが、女性デュオのPUFFY。こちらは奥田民生がプロデュース、Gパンスタイルで井上陽水なども制作陣に加わって『アジアの純真』でデビュー。続く『これが私の生きる道』も第1位。

「レコード大賞」では新人賞、当然「紅白」からも出演交渉されたが、「以前からローカル局のテレビ神奈川での出演が決まっているので…」という律儀な理由で(?)出演を断り、「NHKが地方のU局に負けた」と話題になった。

 一方、男の子たちはロックバンドに夢中。Mr.Children『名もなき詩』、スピッツ『チェリー』、前年からブレイクしたシャ乱Qは『いいわけ』に、ウルフルズは『ガッツだぜ!!』。玉置浩二も(毎日何かを頑張っていりゃ)と『田園』が久々ヒット。

 久々といえば松田聖子も『あなたに逢いたくて―MissingM You―』で人々の心をとらえた。そんな中、日本の歌手で唯一、1億枚のレコードを売った三橋美智也が、65才で黄泉の国へと旅立ってゆく。