ステランティスジャパンとは?
ステランティス(Stellantis)と聞いて、どんな会社かパッと分かる方はそう多くないのではないか。2021年、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)とグループPSA(旧社名・プジョーシトロエン)が合併してできたのがステランティスだ。シトロエンを始め、プジョー、フィアット、ジープ、アルファロメオ、DSオートモビルなど14のブランドを展開している。
先週から取り上げているベルランゴは、シトロエンのMPV(マルチパーパスヴィークル、多目的乗用車)、ボンネット付きバンである。同じステランティスの中だけでも、シトロエンの他にプジョー、フィアット、オペルなどのブランドから同じプラットフォームの兄弟車が出ていること、日本国内市場におけるライバルはルノーの「カングー」であることは、前回記事で紹介した通りだ。
今回インタビューしたステランティスの小川隼平氏は、ステランティスジャパン フレンチブランド事業部の事業部長。ステランティスの仏ブランド、つまりシトロエンの日本におけるトップということになる。
実は以前にも本連載では、小川氏に登場していただいたことがある。その頃の小川氏はルノー・ジャポン代表取締役社長で、話を伺ったのは3代目「カングー」についてだった。そう、小川氏は2年前にルノー・ジャポンで、ベルランゴのライバル・カングーを売っていたトップだったのだ。

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):シトロエンのベルランゴ、たっぷり1800キロほど試乗させていただきました(記事:走りに走った1800km!荷物満載の試乗車で東京←→宮崎の超ロングドライブ、高速道路で起きた「まさかのトラブル」とは?)。
ステランティスジャパン フレンチブランド事業部 事業部長 小川隼平さん(以下、小):その節は大変なご迷惑をおかけしました。言い訳をするようですが、あのようなトラブルが発生するのは本当に稀(まれ)なことで、「ウィンカーが点かない」というのは、いま日本にあるすべてのベルランゴの中でも初めてのことなんです。
F:そうでしたか。私もある意味、ヒキが強いと言いますか……(笑)。いずれにせよシトロエン高松さんには大変お世話になりました。私が翌日は早朝から宮崎に向かうと伝えたら、次の日も早い時間から待機していてくださって。
小:シトロエン高松は、今年の2月にオープンしたばかりの新しいディーラーなんですよ。
F:新しいお店なのですね。以前はどこのディーラーにいらしたのか、店長も工場長もベテランらしく素晴らしい対応でした。不安な中を救われた気持ちになりました。
