現在、日本で売れているシトロエン車のほとんどがベルランゴ
F:では早速、ベルランゴについて伺います。日本におけるシトロエンブランドの中で、ベルランゴはどれくらいの販売比率があるのですか?

小:今はベルランゴ依存というか、ベルランゴが販売の軸であり、ステランティスジャパンが日本で売っているシトロエンのほとんどがベルランゴという状態です。というのも、いまシトロエンブランドは商品が入れ替わる端境期にありまして、ラインナップが限られているからです。ですからたった今は、ベルランゴ以外のクルマは基本的に在庫販売という状況です。
ですが、これからC3など新しい世代のコンパクトカーがどんどん出て来るので、その割合は変わって来ると思います。
F:端境期に入る前ではどうでしたか?他の車種が豊富にあった時期での比率はどうだったのでしょう?
小:およそ半分ですね。半分がベルランゴ。
F:すると常にこのクルマが主軸ということですね。本国フランスや欧州市場全体ではどうですか。
小:向こうではコンパクトの「C4」が強いですね。C4はヨーロッパでも最近出したのですが、実はゴルフの次に売れているシトロエンの主力車種です。ベルランゴはあくまでも商用車の扱いです。日本と同じように乗用車仕様も用意してあるのですが、それほど数が出るものではありません。
私が以前ルノーにいた時も(注:小川さんは2024年までルノー・ジャポンの社長だった)、日本に来たフランス人の社員がカングーを見て、「こんなに乗用で使われているのか」と驚いていましたが、それと同じことがベルランゴでも起きています。日本のミニバン市場は、海外からするととても異質に映るようです。

F:なるほど。