F:ベルランゴには、そういうファン層はいないのですか?

小:ありません。現状はどちらかというと輸入車ミニバンのライトなユーザーの人が入って来ているという感じです。ですから我々は、いま国産車に乗っている方も含めて、新しく乗る人。シトロエンというクルマに初めて触れる層をしっかりと獲得していかなければならないと思っています。

 ですから、マイナーチェンジで大きく変わったね、変わり過ぎだよねと言われるのも、私はむしろチャンスだと思っています。なぜならマイナー前のベルランゴのデザインで取れなかった方々を、今度は獲得できる可能性があるからです。

 ご当人の古巣であるルノーが放つ好敵手カングーとどう戦っていくのか。心中複雑なところもあるでしょうが、闘志満々の小川さん。この話は、次号に続きます。

(フェルディナント・ヤマグチ)

ベルランゴの「モジュトップ」「リアシーリングボックス」とは?

 こんにちは、AD高橋です。

 今回、シトロエン ベルランゴの記事制作のために試乗したのは、「BERLINGO LONG MAX BlueHDi」(ベルランゴ ロング)という3列シートを備えたロングボディモデルです。2列シート5座の標準ボディよりも約300mm全長が長く、全高も20mm高くなります。「大きすぎるクルマは不安……」と感じる人もいると思いますが、全長と全幅はだいたいミドルサイズSUVと同程度。前席のシート位置がSUVに比べると前寄りにあるので、その分車内にゆとりを持たせることができています。

 2列シートの標準ボディと3列シートのロングボディでは、ボディサイズと座席数以外にも、大きな違いがあります。それはベルランゴがライバルであるルノー カングーとは大きく違うことを象徴するモジュトップとリアシーリングボックスが、ロングボディだと搭載されないこと。

シトロエン ベルランゴのモジュトップシトロエン ベルランゴのモジュトップ(広報写真)

 モジュトップとは超大型のガラスルーフと天井の前方中央から後方中央にかけて、電車の網棚のようにわたるルーフストレージの総称です。ルーフストレージはガラスルーフの開放感を阻害しないように底部が透過式になっています。天井にアーチをかけるこのアイデアは画期的で、初めて見た時は驚きました。