リアシーリングボックスは荷室スペース天井につけられた収納ボックスなのですが、バックドア側と後席側、どちらからも荷物を出し入れできる構造になっています。

シトロエン「ベルランゴ」と宿敵ルノー「カングー」の決定的な違い【どっちも知り尽くしたプロがぶっちゃけ】リアシーリングボックスは、バックドア側だけでなく室内側からもアクセスできる(広報写真)

 ロングボディに大型ガラスルーフを付けると剛性確保が難しくなったり、ロング専用のルーフストレージを開発するとコストアップにつながったり、頭上にシーリングボックスがあることで3列目席の居住性に影響を与えたりするなど、さまざまな事情があったのでしょう。でも、この装備があるだけで「ベルランゴ、欲しい!」と思ったくらいなので、ロングに搭載されないのはとても残念……。

 モジュトップはベルランゴの兄弟車であるプジョー リフターにも備わっていましたが、リフターはマイナーチェンジで荷室部分の開口部を最大化するためにモジュトップ(プジョーでは「マルチパノラミックルーフ」および「リアシーリングボックス」という名称を使用)が廃止されました。また、同じく兄弟車のフィアット ドブロには「マジックトップ」という名称でローンチエディションにのみ標準装備されます。

ステランティスジャパンのボンバン三兄弟、どれを選ぶ?

 ベルランゴ、リフター、ドブロという3兄弟からどれを選ぶかを考える際、デザインや装備などいろいろな視点があると思います。私ならモジュトップがあるという点を評価して、ベルランゴの標準ボディを選びます。それくらい魅力的な装備です。

プジョー リフタープジョー リフター(広報写真)
フィアット ドブロフィアット ドブロ(広報写真)
シトロエン ベルランゴ。ステランティスジャパンのボンバン3兄弟の外観の違いはこのような感じです。みなさんはどれが好み?シトロエン ベルランゴ。ステランティスジャパンのボンバン3兄弟の外観の違いはこのような感じです。みなさんはどれが好み?(広報写真)

 以前、あるモータージャーナリストとミニバンの比較試乗を行った際に私が収納やシートの使い勝手を比べていたら「君は細部ばかりチェックしているけれど、多くの人は乗り心地や走行性能などを比べてクルマを選ぶんだよ」と指摘されたことがあります。

 もちろんクルマの根幹を成す走行性能は重要です。でも搭載される装備も大切な判断材料になると思うのですが、みなさんはいかがでしょう。備わっているだけでワクワク感が増すものもありますからね。(AD高橋)