ライバル「カングー」と、どちらが売れてる?
F:確かに“道具感”はありますね。……と、ここで宿敵であるルノー「カングー」との比較について伺います。仮想敵はもちろんカングーですよね。いまカングーとベルランゴを比較すると、ベルランゴのほうが売れているように見えますが。

小:もちろんです。
F:「もちろん」なんですか(笑)。ベルランゴが日本で出た直後から、いきなりこのセグメントのシェアを奪取した、という感じですか?
小:数字で見るとそうなりますが、そこには背景があります。というのも、2代目カングーの末期の頃は、順調にクルマを出せていなかったはずなんです。2代目から現行の3代目に移行するときに、販売の空白期間があった。そのタイミングでベルランゴが出て来て、一気に市場を攫っていった。そんな流れがあります。カングーが最後に出した「ディーゼルのMT車」。あれはすごかった。瞬殺で売れていましたね。
F:2代目カングーの最後の限定車。今はどうなんだろう。いっときは新車価格よりも高いプレミアム価格が付いていましたものね。
小:いまは落ち着いていると思いますよ。コロナですべてのメーカーの新車供給が滞った時は、輸入車を含めバーンって中古車相場が上がりましたからね。実需の上に転売目的の方も加わって……。
F:ありましたね。転売ヤーの跋扈(ばっこ)。それは今でもあるか。ジムニーのノマドなんて、半分くらいが転売目的じゃないですか?
小:ノマドのような特殊事情を別にすれば、今はもう供給が回復したので、価格も常識的なラインに落ち着きました。転売目的でご自身が乗らないクルマを買って、だいぶ損をした人も少なくないと思います。
F:自業自得ですね。ざまあとしか言いようがない(笑)。