
相も変わらず人気商品の転売が社会問題となっているが、何か有効な対策はないものだろうか。転売されるということは、元の価格が安いのだから、値上げすればいいと思うが、そう簡単にはいかない。過去の事例で私が印象的だったのが、ソニーの「プレイステーション5」の転売対策だ。どのあたりが妙案だったのか、コンサル目線で解説しよう。(未来調達研究所 坂口孝則)
マクドナルドの「ちいかわ」転売でSNS炎上
「あなたは、ビンボー人の気持ちが分かっていないんだっ!」
ありがたいことに私は長年、テレビ番組にコメンテーターとして出演する機会をいただいている。近年よく話題になるのが、人気アーティストのチケットやグッズの転売について。そこで私が、「転売されるということは、元の価格が安いともいえます。だから転売されないように価格を上げればいい」とコメントすると、冒頭のキビシイお叱りを受ける。
つい最近も転売騒動が起きた。日本マクドナルドが人気キャラクター「ちいかわ」とコラボしたハッピーセットを販売したが、わずか3日間で販売終了が発表された。そこで、第2弾はひとり4セットまでの購入制限を行い、転売自粛を呼びかけた。しかし結局こちらも販売するや否や、メルカリをはじめとするフリマサイトに大量に出品されていたことが発覚。わずか1日で販売終了に追い込まれた。ちなみに中国のフリマサイトでも確認されている。
さらに今回タチが悪かったのが、ちいかわグッズだけを抜き取り、ハンバーガーやポテトを食べることなく店舗に放置する例が散見されたことだ。「おもちゃだけゲットしてハンバーガー捨ててる写真とか見ると胸が痛む」「ひどすぎるよ」「食べ物を粗末にするような人間はクズ」などとSNS上で大炎上。5月30日から予定していた第3弾は実施されず、終了した。
マクドナルドという最強のブランドが提供したかった「ハッピーな体験」が、本来とは真逆のイメージを与える残念な結果となってしまった。では、転売を抑止する方法はあるのだろうか。