――仕事と人生を切り分けて考えることが大事ということですか。

 僕が佐川で働いてたのは、「時給がよかったから」という単純な理由です。配送業に興味があったわけでもないし、夢だったわけでもない。でも生活できて、他のことに時間やお金を使えたなら、それでOK。

 無理にやりがいを求めるより、「仕事は稼ぐ場」と割り切るのも、立派な選択肢だと思います。

「退職代行は逃げじゃない」
ひろゆきが語る“正しい辞め方”って?

――近年、「退職代行サービス」を利用して会社を辞める若者が増えています。この現象をどう見ていますか?

 すごく、“まともな人”が増えたなって思いますね。僕がバイトしてた頃なんて、辞めるときは「ブッチ」(連絡なしで突然辞める)が普通でしたよ。辞める理由すら伝えずに姿を消す。でも給料だけはしっかり請求する(笑)

 今の若者は、「自分では言えないから」って代行サービスを使ってまでちゃんと辞める意思を伝えようとしてる。お金を払ってまで。それって、むしろすごく真っ当じゃないですか?

――「逃げることを覚えたら、どこ行っても通用しない」という意見もありますが……。

 それ、完全に昭和の価値観を押し付けてるだけですよ。そもそも、若者が仕事を辞めるのはごく普通のこと。働いてみて「合わない」とか「思ってたのと違う」と思うのって、当然じゃないですか。

 最初に入った会社が自分にピッタリなんて、ほぼ奇跡。だから、いろんな職場を経験しながら、自分に合った環境を探していく時間って絶対に必要なんです。

――退職代行にはネガティブなイメージを持つ人もいますが……。

 いやむしろ会社も、ありがたいと思うべきでは。「辞めたい」と本人が言えない職場環境がある、ってことがハッキリ見えるわけですから。その職場に問題がなければ、代行なんて使わないですし。

 あいまいな理由で辞められる方が、会社の問題が見えにくくなる。退職代行って、“辞めにくさ”という職場の課題を可視化してくれる、すごく意味のある存在ではないでしょうか。

――退職代行を使わず、自分で退職を伝えたいときはどうすればいいですか?

 シンプルに、メール1通でOKです。「○月○日をもって退職します」って送れば、それで済みます。電話とか対面だと、あれこれ話さなきゃいけないし、面倒でしょ?余計なやりとりを避けるなら、メールがいちばんラクです。

――もし、上司に引き止められたら?

 給料を上げてくれるとか、条件が自分にとって得なら残ってもいいと思います。でも、そうじゃないならスルー。結局、「縁がなかったな」で済ませればいいんですよ。相手の反応に振り回される必要なんてありません。

――ひとつだけアドバイスがあるとすれば?

 次の仕事を決めてから辞めた方がいい、ってことですね。無職になってから探すより、精神的にも経済的にも圧倒的にラクですから。