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“論破王”ひろゆき氏によれば、IT技術が完全に米国の後塵を拝してしまったのは「政治家も官僚もドシロウト」だからだと言う。ではどうすればいいのか?ひろゆき氏が考えた、思い切った巻き返し案とは。本稿は、ひろゆき著、根本和彦監修『税弱な日本人からふんだくるピンハネ国家の不都合な真実』(宝島社)の一部を抜粋・編集したものです。

日本が「大きな政府」をやると
経済はますます悪化する

「大きな政府」と「小さな政府」という言葉があります。大きな政府は高福祉国家で高負担、小さな政府は低福祉で低負担というふうに分けられます。

 政策の違いとしては、大きな政府では、政府が積極的に経済活動に介入することで、社会資本の整備、所得格差の是正などを行い、経済を安定させます。高い水準の公的サービスを実現するため、税や社会保険などの国民負担は大きくなります。

 一方、小さな政府では、減税、民営化、規制緩和、金融引き締めなどを行い、政府の経済活動への介入を抑えることで競争を促し、経済成長を図ります。

 日本は高負担という面では大きな政府ですが、一方で民営化や規制緩和などの小さな政府的政策も行っています。

大きな政府と小さな政府大きな政府と小さな政府 同書より転載 拡大画像表示

 僕の考えでは、日本が大きな政府をやると、より経済が悪くなると思います。なぜなら、日本の企業は生産性がめちゃめちゃ低いからです。

 なぜ生産性が低いかというと、無能な人をクビにしないからです。さらにいろいろなことを人力でやろうとしてしまっているせいで、なかなか機械化が進まない。だから生産性も上がりません。

 機械化が進まないのは介護の現場などでも同じです。介護の仕事は人のためになるという社会福祉的な意味合いが強いのですが、決して生産性の高い仕事とはいえません。

 そういう現場でたくさんの優秀な人材を働かせるのはもったいないので、機械化できる部分は極力機械にやらせたらいいのです。ところが日本の場合、機械化という選択をせず、安い給料で介護の仕事をしてくれる外国人労働者を雇ったりしています。

 機械を有効に使って発展した国の例というのは歴史上も枚挙にいとまがありません。しかし残念ながら日本の為政者、経営者には頭の悪い方が多くて、機械化せずに安い人件費を使ってその場をしのごうとしています。

日本がIT化で立ち遅れた原因は
政治家と官僚にある

 だから日本政府が大きな政府みたいなことをやろうとして、そこにお金をつぎ込んでしまうと、ろくでもないことに使ってしまいます。むしろ小さな政府で規制緩和や民営化を行い、民間活力を導入して競争させ、減税して働く人の労働意欲を高め、新しいイノベーションを開発していったほうが、国にとってより有益だと思います。