トランプ関税で株価乱高下
8000万円吹っ飛んでも焦らなかったワケ

 まさに世で言う“億り人”や“FIRE”状態になったとも言える山下氏。ところが最近、株式投資では一波乱があったという。

「最近はトランプ関税の影響で金融市場が不安定になって、株価も乱高下してますよね。それで僕、8000万円は吹っ飛んでるんですよ」

「だけど、不思議とへこんでないんですよね。2億が1億2000万になったんか~くらいの感覚なんです。これは自分でも意外やった。ちょっともうゲーム感覚になってるんです。1億だ2億だいうても、目の前に札束がドーンってあるわけじゃない。ゲームでポイントが減ったみたいな感覚」

「でもこれって実は大事なことだと思うんです。株式投資は、大きく増えても減っても一喜一憂しない、焦らないのが大切。米国株投資を信用してますしね。これまでも歴史上、オイルショックやブラックマンデー、リーマンショックやコロナショックとありましたけど、何年かしたら復活するじゃないですか。トランプショックも、いつかは回復するんでしょう」

「過去にショックが起きても、最長15年で回復してきたというデータがあります。僕のゴールは20年後で、老後にお金があったら助かるなぁって気持ちで株をやってる。あとは、キャッシュもある程度、手元に置いてます。全部、株に突っ込んだら恐ろしいですもんね」

 語り口からしても、もはや立派な投資家である山下氏。だが、芸人としての看板は下ろさず、52歳にして新しい相方を見つけ漫才コンテストのM-1グランプリに挑戦するなどの活動も続けている。その理由とは?

「どの仕事でもそうですけど、『一発当てる』は意外とできる。難しいのは、『継続』です。芸人は一番難しいですよ。最初のコンビ「ジャリズム」も一発当てられましたけど、継続はできなかった。それでも芸人を続けているのは、この仕事が一番好きで楽しいから。それだけですね」

 好きで楽しいからとはいえ、どのように芸人としてのモチベーションを保っているのだろうか?この質問に、山下氏は「それは、逆なんですよ」と語りだした。

「芸人でいるために、他でお金を稼いでいるんです。芸人になってもバイトに時間を奪われたり、結婚して子どもが生まれたりして、お金を稼ぐ必要に迫られて、芸人を辞めてしまう人が多い。これは他の夢を追っている人にも言えると思うんですが、しっかりと生活基盤を確保することが、夢を叶える近道だと思うんです」

 また、複数の仕事を抱えるなら、それぞれに情熱を注ぐことも大切だと山下氏。例えば今も、「山下本気うどん」の新メニュー開発には積極的に関わっているという。

「こないだちょっといい中華屋さんで、スープのパイ包み焼きというのを食べたんですけど、カップの淵のパイを崩しながら食べるもので、美味しくて感動したんですね。だから「オニオングラタンスープうどんパイ包み焼き」って新メニューで提案したんですよ。ショート動画で映えそうやと思いません?『作るのが難しい』って思いっきり却下されましたけどね(笑)」

白い明太チーズクリームうどん山下本気うどんの人気メニュー「白い明太チーズクリームうどん」 写真:本人提供