山下本気うどん、オモロー山下写真:本人提供

人間関係の悩みやストレスが一番ダメ!
自分の能力を信じて、人との絆を大切に

 現在は飲食店のプロデュース、資産運用、ライター、芸人など、複数の顔を持ち、それぞれの道で収入を確保している山下氏。そうした働き方こそが、仕事で成功するためのヒントだと話す。

「特に今は売り手市場ですから、仕事はいくらでもあります。人間って結局ストレスが一番ダメなんですよ。だから職場の人間関係で悩んだり、これは自分には向いてない仕事なんやと思ったら、すぐに次を探して転職したほうがいい。固執せずに、自分の能力に合った仕事をどんどん探していくのが大切だと思います」

「副業は失敗しても、それほどリスクは大きくない。興味があれば、どんどん挑戦すべき。収入を確保できる道をいくつか持てば、ひとつの仕事がダメになっても、またすぐに次のチャンスに勝負をかけられる」

 山下氏は、資産を活用する方法についても、「人には向き不向きがある」という考え方で慎重に検討しているという。

「純粋にお笑いが好きであれば、何億円というお金を使って、ザコシショウやとろサーモンの久保田みたいに、自分で番組を作ってしまう方法もあると思うんです。でも僕は、芸人としては、いろいろな出演者がいる中でワーワー言うほうが合っているんで、それはないかなと」

「自分で新しい事業を立ち上げようかと考えることもあるんですが……それも、イーロン・マスクの方が向いてるでしょ?(笑)。だから、面白くて伸びそうな事業あれば投資するっていうのが効率的で、社会のためにもなるかなと思っています」

 こうした仕事に対する思いの中で、最も大切にしているのは“人との出会い”であると、山下氏は言い切る。

「僕はラッキーとしか言いようがなくて、周りの人にほんまに助けられてきた。うどん店を出す時だって、先輩から1000万円も出してもらえたから、今があるんです」

「僕は全然、完璧な人間ではない。だから助けてもらった人はもちろん、人とのつながりは大事にしていますね」

 不遇の芸人時代を経て、飲食店経営で実績を残し、今や“億り人”となった山下氏。「どこで自分の才能が開花するかわからないんで」という信念で、トライ&エラーを繰り返しながら、情熱を注ぎ続けることが秘訣なのかもしれない。

オモロー山下オモロー山下/1992年、渡辺あつむ(現・桂三度)と「ジャリズム」を結成。1998年にコンビを解散し、ピン芸人として活動するが、2004年にジャリズムを再結成。11年に再び解散し、芸名をオモロー山下に。12年、うどん店「山下本気うどん」を開業。21年、「山下本気うどん」の商標権を売却し、同店プロデューサーに。同年、M-1グランプリに出場。25年、ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取得。