親の意見に従う子ども、を育てたいのか?

 「保護者の意見に従うことが多い」と答える大学生の比率が、ついに45.9%に達しました(*1)。特に男子はこの4年間で大幅に増え、35.6%から43.2%になりました。「演習形式より楽に単位がとれる授業がいい」「困ったら親が助けてくれる」……。これが、われわれの子育てと教育システムの結果です。

 これで、いいのでしょうか。子どもたちは親を、よ~く観察しています。だから親に「似たり」「反発したり」するのです。親としての自分を振り返るのに、まずは子どもたちの声に、耳を澄ませましょう。

 『親と子の「伝える技術」』を5月14日に上梓してまもなく、2人の親御さんからほぼ同時に、とっても似た話が寄せられてびっくりしました! 以下、(ちょっと修正・抜粋して)ご紹介します。まずは、読書サイトでの献本抽選に当たったご家庭からの声です。

●その1●父と娘(本が好き![*2]より)
 この本を発送していただいた翌日、楽しみに帰宅すると開封されたレターパックの残骸が。
 妻に「中身は?」と問いかけると「あれっ→」と子どもを指差します。
 子どもに視線を移してみると「わかる~わかる!」などと呟きながら子どもが読んでいるではないですか。
 そしてとどめの一言「お父さん良い本もらったね、よ~く読んでね」
 ハイハイ、承知いたしました。勉強させていただきますよ!(後略)

「これ読んで母さん変わらな」と娘は母に言った

 女の子というのは(男の子と違って)早くから、自分が親になったら、とか、親の視点というものを意識し始めます。なので、親が読もうとしている「子育て本」にも手を出したのでしょう。

 かつ、娘というのは親に対して辛辣です。対象をストレートに捉え、要求を突きつけます。もう一つの声を紹介しましょう。

●その2●母と娘(Facebookページ「三谷3研究所」より)
   親と子の「伝える技術」』、週末Amazonからきた途端、中1娘が開けて興味あったのか先に読み出しました。
   「当たってる」「そうやねん」とブツブツいいながら。
 そして、これ読んで母さん変わらな、と最後はダメ押し。まだ読んでないって。
 楽しみやら恐ろしいやら、読ませていただきます。

 この本、実は女子中高生向けにプロモーションしたらいいのかもしれません。「親に読ませたいこの1冊!」みたいに。

*1 ベネッセ教育研究開発センター(2012、2008)
*2 「存続の危機を乗り越え、脱ワンワード実行中のrams家です」