相談を聞くだけでなく、創業者やOB自身が会社の波瀾万丈の歴史を語ることも、自社に愛着を持つきっかけになるかもしれませんし、取引先の人と話すときのネタにもなるでしょう。大企業では難しいでしょうが、中小企業では、「会長をうまく使う」という方法が有効です。
新入社員がわずか3カ月で辞めるというのは会社にとって大きな損失だし、本人にとってもいいことではありません。いろいろな方法で「会社はあなたを気に掛けている」ことを伝えることで、離職を減らすことができるはずです。
「すぐ辞める人」を
見極める方法とは?
最後に、中途採用において、「すぐに辞めてしまう」ことを防ぐためにできることをお伝えしましょう。
新卒社員の場合と同じく、入社後に上司が気にかけてコミュニケーションを取ることも重要ですが、中途採用の場合は、「採用する前」に注意しておくべきことがあります。
一つは、職を転々とする、いわゆるジョブホッパーであるかどうかを選考時に見極めておくことです。それ自体が悪いわけではありませんが、前職を短期間で辞めていたり、履歴書に空白期間があったりする場合は、その事情をきちんと確認しておく必要があります。
もう一つは、選考の段階で会社のカルチャーをきちんと伝えておくことです。
仕事の内容を理解していて実力が十分にあったとしても、会社のカルチャーになじめずに退職してしまう人は一定数います。特に、自社に独特なカルチャーや習慣がある会社は、採用前にそのことを共有しておくようにしてください。
例えば、当社(小宮コンサルタンツ)では勤務時間中に毎朝15分間の環境整備(お掃除)をした後、朝礼を行っていますが、この習慣が合わないという人も当然いるでしょう。入社してから特有の文化がわかって、なじめずに悩み、辞めてしまう……というのはお互いにとってもったいないことです。
採用の段階から、できるだけイメージを共有しておくことです。入社前に一度現場社員とランチで顔を合わせるなど話をする機会を持っておくことも、こうしたカルチャーを理解するため、また入社時の不安を取り除く上ためにも効果的だと思います。