トヨタ、日産の1位は不動
ホンダは早大が浮上
トヨタの24年のランキングでは、1位が名古屋大学で52人と圧倒的にトップとなっており、他大学を大きく引き離している。2位は名古屋工業大学と京都大学が同順位だった。
名古屋大学、名古屋工業大学、南山大学はいずれも愛知県に所在する大学で、トヨタの本拠地である中部地域との強い地縁関係がある。特に名古屋大学は、技術・研究力ともに国内トップレベルで、理系人材の供給源としてトヨタにとって重要な大学と考えられる。
京都大学、大阪大学といった旧帝大や早慶クラスの総合大学、同志社大学や立命館大学といった関西の有力私大などからバランスよく採用していることがわかる。地元(名古屋圏)を重視しつつ、全国の名門大学からの人材確保を柱にした採用戦略を採っていることがうかがえる。
ホンダは、早稲田大学が前回トップの芝浦工業大学を上回り、22年以来の1位を奪還した。2位は明治大学、3位は大阪大学、九州大学、芝浦工業大学が同順位だった。
早稲田大学、明治大学、中央大学、東海大学、日本大学など私立大学出身者の比率が高い。理系だけでなく、文系職にも力を入れて採用していることを示唆している。
また、芝浦工業大学、東京工業大学、東京理科大学など技術系人材を獲得すべく理工系大学からも積極採用している様子がうかがえる。
日産自動車は、1位が九州大学、2位が東京工業大学、3位が中央大学と明治大学で同順位だった。
九州大学は、福岡県を代表する旧帝大で理工系に強いうえ、日産が九州(福岡県苅田町)に大規模な生産拠点を構えていることが最大の背景と考えられる。
首都圏の私大からも多く採用している。特に採用数で中央大学、明治大学の順位が早稲田大学より高く、旧帝大もしのいでいるのは特徴的だ。
大阪大学、東北大学といった旧帝大は、技術系・研究開発職の採用先として大事なターゲットとなり、日産自動車は九州大学以外の旧帝大からも一定数を継続的に採用していることが分かる。
他に、同社の本社がある横浜市の横浜国立大学も、アクセスの良さ、産学連携などの観点でランクインしていると見られる。