25年 給料ランキング#24Photo:PIXTA

トラックドライバーの労働時間が制限される「2024年問題」に直面した物流業界。2025年の今もなお働き手不足にあえいでおり、待遇改善が業界全体の課題とされているが、各社の実際の待遇に賃上げの結果は表れているのか。特集『25年 給料ランキング』の#24では、主要15社の最新の有価証券報告書を基に平均年間給与を比較。その結果、大きな賃上げ格差があることが判明した。(ダイヤモンド編集部 田中唯翔)

「2024年問題」契機に待遇改善が課題
15社比較で賃上げ格差が判明

 トラックドライバーは全産業平均より年間労働時間が2割長く、賃金が2割低い職業とされ、若者のなり手も少ないことから慢性的な人手不足が深刻な問題となっている。

 2024年4月から施行された働き方改革関連法より、トラックドライバーの時間外労働の上限が960時間に制限されるようになったことで、物流業界ではモノが運べなくなるリスクが表面化した。これが「2024年問題」だ。

 この2024年問題を契機に待遇改善が進んでいる。業界最大手のヤマト運輸は、25年の春季労使交渉(春闘)で満額回答となる1万5500円のベースアップを実施。人手不足解消に向けて、大幅な賃上げで待遇改善に踏み切った。帝国データバンクの調査によると、24年度の平均年間給与の前年度からの伸び率が最も高かった産業は、物流などの陸運業だという。

 しかし、主要15社の有価証券報告書を基に平均年間給与を集計し、ランキング化してみると、賃上げの波に乗ることができている会社とそうでない会社に大きく二極化していることが判明した。

 中には、前年度から8%以上の賃上げに成功している会社がある一方で、前年度から5%近く平均年間給与が下落している会社もあった。

 一体それらの企業はどこか。気になる結果は次ページで公開する。