家計の負担増は?いくら節約すればいいの!?
最後に、値上げによる家計への負担がどれほど増えるのか、大雑把ではあるがシミュレーションしてみよう。食料品の年間支出が100万円で、食料品以外の年間支出が300万円の家庭の場合だ。

まず、食料品が10%値上がりするとして10万円、食料品以外が2%の物価上昇とすると6万円。合計16万円の負担増となる。その他、子どもがいる家庭なら教育費の負担が大きい。これから住宅ローンの金利も上がるかもしれない。一方、手取りの給料がそれほど増えるかは確約されていない。
個人レベルでは、為替や原材料相場を動かすことはできない。だからこの16万円負担増を前提に生活を組み立て直すしかない。1年間は約50週あるから、16万円を50で割ると3200円。つまり1週間に3200円を節約すればいい。1日500円弱の節約ならば、なんとかできるという人もいるかもしれない(しかし「節約疲れ」には注意されたし)。
医療系「知っている人だけ得する」制度とは?
あるいは、確定申告が必要だが「セルフメディケーション税制」を活用するのも手だ。これは、「市販薬を買って税金を抑える制度」とも言える。世帯合計で年間1万2000円を超えて購入した場合に、その超えた金額分(ただし上限8万8000円)を所得から控除できる。結果として所得税や住民税の負担が軽くなる制度だ。
また、「リフィル処方箋」を知っているだろうか。症状が安定している患者などに限定され医師の許可が必要だが、医師の診察なしに同じ処方箋を最大3回まで繰り返し利用できるようになる制度で、通院の負担軽減につながる。
これらの制度はなぜか大々的に告知されていない。知っている人だけ得する制度だ。値上げラッシュに個人ができる対策は、税制や控除についての正しい知識を身に付ける、自己防衛力を高めることが大切だろう。
