
定員割れが進む私立大学の薬学部に比べると、国公立大学の薬学部は狭き門。入り口の差は、入学して6年間のうちに薬剤師国家試験に合格する「国試ストレート合格率」に表れる。連載『教育・受験 最前線』では、全国薬学部の実力と経営にランキングで切り込む「薬学部ランキング」を複数回にわたってお届けしてきた。第6回は全国国公立17薬学部について「国試ストレート合格率」ランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
「国試ストレート合格率」
国公立と私立の間に格差
薬学部淘汰時代に突入したといっても、私立大学と国公立大学では状況がまるで異なる。
薬剤師を養成する6年制薬学部について2024年度入学者を見ると、私立は全国62薬学部(6年制)のうち31学部が定員割れ。このうち10学部は「入学定員充足率」(入学者数÷入学定員)が50%を切っている。つまり、定員の半分も埋まっていない(『薬学部「入学定員割れ」ワーストランキング【全国私立60薬学部】2位は徳島文理大、1位は?』参照)。対して国公立19薬学部は、岐阜薬科大学が92.5%で少し割ったのを除くと、どこも100%以上だ。
入試の「実質競争倍率」(受験者数÷合格者数)で見ると、私立の40薬学部は1倍台なのに対し、国公立は全て2倍以上。私立は入学枠が合計で1万人あるのに対し、国公立は約1000人。国公立は狭き門で、入試難度が私立よりも総じて高い。
私立で6年間にかかる学費が最低でも1000万円前後で、国公立の2倍、3倍もかかる。進学先を選べる学力を持つ学生の多くが国公立に通うのは自然な流れである。
入り口の違いは、薬剤師を輩出する実力に大きく影響する。それが数値になって表れるのが「国試ストレート合格率」だ。6年制薬学部に入学した学生が留年せずに6年間のストレートで薬剤師の国家試験に合格する割合は、薬学部を持つ大学運営サイドが一番気にしている数値である(『薬学部「国家試験ストレート合格率」ランキング【全国私立57薬学部】3位慶應義塾、2位星薬科、1位とワーストは?』参照)。
24年の国試において、私立の21薬学部ではストレート合格率が5割を切った。これは当該薬学部の18年度入学者において、過半数が6年間のうちに薬剤師資格を取得できなかったということだ。国公立の薬学部でストレート合格率が5割を切るところは皆無。私立に格差を見せつけている。
ダイヤモンド編集部では、国公立17薬学部を対象に、過去4年間のデータに基づいて国試ストレート合格率ランキングを作成した。次ページでは、このランキングを一挙公開する。