「二次会の定番は、カラオケ」という人にとって、ちょっと気になるニュースが飛び込んできた。
カラオケ業界大手・第一興商が、カラオケユーザー参加型のオフィシャルサイト「DAM★とも」を12月にスタートすると発表した。
同サイトは、おおまかに言うと、カラオケ店で歌った自分の歌声を録音し、発表できるSNSサイト。ブロードバンド対応通信カラオケ「プレミアDAM」と会員認証機能付リモコン「DAMステーション/デンモクiD」の新サービス「カラオケ録音機能」と連動し、ユーザー自身のPC/携帯電話からインターネットを通じて自分の歌声を無料で視聴・公開できるという仕組みだ。
「DAM★とも」サービス概要。「マイページ」では、自分のプロフィール登録や気に入ったユーザーの登録、会員の足あと帳や自分に寄せられたリクエスト通知の確認などができる。 |
他の人のカラオケを聴くことはもちろん、お気に入りユーザーの登録、リクエストなども可能。カラオケを通じたコミュニティーがネット上に出現するというわけだ。12月1日にPC向けインターネット、NTTドコモ(i-mode)、ソフトバンクモバイル(Yahoo!ケータイ)、12月4日にau(EZweb)がサービス開始する予定。
サービスを開始する狙いは、カラオケ店舗への再来店の促進および他機種との差別化、すなわち、ファンの囲い込みだ。
2007年度のカラオケ人口は、約4670万人(全国カラオケ事業者協会調べ)。娯楽の多様化を背景に2001年より微減状態が続いている。一時は乱立していたカラオケボックスも、1996年をピークに減少傾向にある。一方で、1施設あたりのルーム数平均は1996年の10.8室から2007年14.0室と増加傾向にあり、中小が運営する店舗が淘汰され、第一興商をはじめとする大手による競争状態となっていることがわかる。
大手にとっては、価格競争の時期を脱し、高付加価値サービス競争の時代に突入したとも言える。「DAM★とも」のようなサービスの出現は、それを端的に表している。
ネット上の仮想コミュニティーでの自己表現が一般的となった現在、カラオケを通じてのコミュニティーが「店舗」という閉じた枠組みを飛び出し、ネットへ広がっていくのは自然な流れだ。第一興商によると、同社が運営しているファンサイト「clubDAM.com」内での「ランキングバトル」など、順位や得点をつけあうコミュニケーションは、カラオケファンコミュニティやブログ上などで既に活況を呈しているという。
同社は、「『DAM★とも』からスターが輩出されるなどの発展が期待できる」としている。高校生バンドのバトル番組が支持を受けるなど、「アマチュア芸」が好きな国民性を考えると、カラオケSNSからのスター誕生も絵空事ではない。気がつけばマイクを独占しているあなたも、スターを目指して歌声に磨きをかけてみては?
(梅村 千恵)