総予測2026Photo by Yuji Nomura

「出戻り組」として異例の社長抜てきとなった丸紅の大本晶之社長は、2030年までに時価総額10兆円という壮大な目標を就任1年目にぶち上げた。その要となるのは、丸紅の成長をけん引してきた「戦略プラットフォーム」と呼ばれる事業群だ。特集『総予測2026』の本稿で、大本社長に10兆円企業への手応えと勝ち筋を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 猪股修平)

肝は戦略プラットフォーム型事業への集中投資
「丸紅の丸は世界の丸」という自信

――社長就任1年目で初めてIRデーを開くなど、丸紅の「見える化」を進めた印象を受けます。手応えと反省をそれぞれ教えてください。

 IRデーには丸紅をできるだけシンプルに可視化し、マーケットや投資家にお伝えする役割があります。中期経営計画「GC2027」の戦略をご説明しましたが、IRデーを2日間開いたのは総合商社では当社だけではないでしょうか。2回にわたって説明したことで戦略がとても明確になり、今後は実践あるのみだと考えています。

 お伝えしたかった戦略について、まず一つは、前中計までの6年間の土台をしっかり継続し、勝ち筋である「戦略プラットフォーム型事業」へ1.2兆円程度を集中的に投資していくことです。

 そして時価総額10兆円の目標を掲げたのですが、それはあくまでも途中経過だと考えています。最終的に目指すのは「世界の高み」です。

 総合商社セクターの中で他社を意識するのではなく、世の中で高く評価されている企業群を意識し、そことの差をどのように埋めていくかに腐心した方が、当社はより早く成長するはずです。

「商事」「物産」といった商社を指す商号が丸紅にはありません。「丸紅の丸は世界の丸」として、一番良いものをお客さまに届ける。一番良い価値創造の仕方を実践する。頭の中ではそのように考えています。

次ページでは、注目の地域や時価総額10兆円達成のタイミング、「戦略プラットフォーム型の投資」の新たな分野について大本社長が明らかにする。