総予測2026Photo by Tohru Sasaki

石油化学業界はこの1年で、国内に12カ所ある石油化学コンビナートの統合・再編がさらに進んだ。2026~27年度にかけて千葉では四つあるエチレン製造拠点が二つに集約され、川崎も二つを一つに統合。西日本では地域の異なる製造拠点の再編の方向も示された。国内の製造拠点は8カ所に集約され、過剰供給体制が大きく見直される。また、三井化学と出光興産、住友化学は国内の汎用樹脂事業の統合を発表するなど、石油化学業界に再編の嵐が吹き荒れている。この流れは2026年にどうなるのか。特集『総予測2026』の本稿では、石油化学工業協会の工藤幸四郎会長(旭化成社長)を直撃した。工藤氏は「26年は決断の年。高機能品でもアライアンスが進む」と断じた。中国の化学品の過剰供給による市況低迷に苦しんできた日本の石油化学産業はどう変化していくのか。(聞き手/ダイヤモンド編集部 金山隆一)

グリーン化と高機能品で勝負の年
逆行する脱炭素への対応は

――石油化学業界ではエチレン製造拠点の再編などで構造調整が進み、各社で半導体材料やヘルスケアなど成長分野の強化に向けたポートフォリオの変革の動きが見えてきました。

 2026年度にかけて将来の姿が見えてくるでしょう。エチレンの生産能力は国内で600万トンあったものが400万トン前後になっていく方向が見えてきました。400万トンは経済安全保障の観点で必要不可欠な生産規模です。この数字を基に、内需を中心とする川下誘導品と高機能品をどう作っていくかが重要です。日本全体で石油化学を高付加価値産業に変えていく勝負の年だと思っています。

――エチレン製造拠点の削減の方向が見えてきました。ここから先は個別企業の戦略になってくるのでしょうか。

エチレン製造拠点の再編が一段落した今、再編の焦点は川下に移りつつある。化学メーカー各社は半導体材料などの高機能品に経営資源をシフトしているが、この流れはさらにどこまで広がるのか。次ページでは、工藤氏に今後の再編の方向性に加えて、トランプ政権誕生で逆風が吹く脱炭素化の流れに、企業はどう対峙していくべきかを聞いた。