ドジャースのグッズ売り場には、ナイキもアディダスも、あらゆるメーカーがグッズを出していて、これって良いことだなと。日本は1社提供が多いけど、プロレスは他のスポーツよりも選手個人の活動が多いし、選手やユニットごとにスポンサーを変える、1社提供にこだわらなくていいという発見がありました。

 この2年、本を読んで勉強しながら、経営データとにらめっこしています。試合のチケット収入、動画配信サービス「NJPW WORLD」収入の他にも、グッズ販売に伸びしろが大きいと気付きました。

 特にアパレルに関しては、ニューエラやアンダーアーマーなど複数の有名ブランドと契約できるようになってきた。他にも、しまむらとのコラボもある。プロレス好きだけでなく、幅広いファンにアプローチしていきたいですね。

 1990年代後半にハルク・ホーガンさんや蝶野さんらのユニット「nWo」が結成されて大ブームになった時、Tシャツだけで6億円も売り上げたそうです。街中でプロレスTシャツを普通に見かける時代を、再びつくるのが僕の野望です。

 26年1月4日の東京ドーム大会は地上波の全国ネット、プライム帯で放送されます。これは実に24年ぶりのこと。世代や性別を問わず老若男女が楽しめるプロレス、ファミリーが喜ぶビジネスの頂点を目指しているんで、ライバルは「ディズニー」です。冗談じゃなく、本気ですよ!

 新日本プロレスって実は、ファンに元気やエネルギーを売っている会社なんです。試合会場は、運気が上がるパワースポット。ぜひ遊びに来てください!

棚橋弘至・新日本プロレス選手権第11代社長たなはし・ひろし/新日本プロレスリング第11代代表取締役社長。1976年、岐阜県大垣市生まれ。キャッチコピーは“100年に一人の逸材”“エース”。立命館大学法学部在学時にレスリングを始め、卒業後の1999年に新日本プロレスへ入門、同年10月にデビュー。2003年に初代U―30無差別級王者となり、初のタイトル戴冠。06年、IWGPヘビー級王座を初戴冠。以降、同王座を8度戴冠(歴代最多記録)。第56代王者時代には当時の連続最多防衛記録となるV11を達成。『G1 CLIMAX』は3度の優勝。23年12月、新日本プロレスリング第11代社長に就任。24年10月に、26年1月4日での現役引退を発表した。 Photo by Shogo Murakami
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Key Visual by Noriyo Shinoda, Hitomi Namura