ロジャーズ 今は、中国株とウズベキスタンの株が面白い。非常に安いので、買い増したいと思っています。

桐谷 私は新興国株を買う気はないのですが、ロジャーズさんは過去に「北朝鮮も市場を開放すれば大いに伸びる」と発言されていましたね。

ロジャーズ 北朝鮮の市場が開放されたら、エキサイティングな市場になると思います。開放されたら、北朝鮮の株を買いたいですね。

利益率は低いとダメとは限らない

――桐谷氏の投資基準はお聞きしましたが、ロジャーズ氏の投資のモットーは?

ロジャーズ 若くして株で成功しましたが、大失敗もしています。大規模な空売りをした直後に、市場が上昇したこともありました。そこで得た教訓が、ファンダメンタルズを理解しなければ投資をしてはいけない、ということ。毎日、中央銀行と金利の動き、通貨や商品市場に関するニュースをチェックしています。

 企業の財務データでは、まず利益率を見ます。利益率は高いほうがいいですが、低いからその企業がダメとは限らない。推移を調べたうえで、利益率の上下が激しく、現在の利益率が低い状況で、今後は利益率が上がり、株価が上昇する可能性が高いか判断します。

 その企業の利益率が高くても、借金がたくさんあれば長続きしないと判断し、空売りをすることも。確認する数字は「負債資本比率」です。複数社を比較して、利益率が同じくらいなら「株主資本利益率」もチェックします。

 とはいえ、これは私のやり方であって、先ほども言いましたが自分なりの投資方法を見つけるのがベストです。私と桐谷さんの方法は違いますけど、どちらもパーフェクトなようにね。他人のモノマネではなく、自分のやり方を見つけ出すことが投資で成功する唯一無二の秘訣です。

「暴落は必ずやってくる」資産7億円“株主優待の達人”桐谷さんが、株価下落で「すぐしたこと」は?【ジム・ロジャーズと異色対談】
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Key Visual by Noriyo Shinoda, Kanako Onda