総予測2026Photo by Yasuo Katatae

金利のある世界で、メガバンクのリテール競争は、巨大経済圏やAI企業を巻き込む新たなステージに入った。特集『総予測2026』の本稿では、PayPay経済圏や楽天経済圏などの主要経済圏、SBIホールディングス(HD)やOpenAIといった重要プレイヤーとの関係を一望できる、メガバンク主導の2026年版「リテール新経済圏マップ」を大公開する。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)

ソフトバンク・楽天・OpenAIにSBIHD
リテール「新経済圏」の盤上に勢ぞろい

 金利のある世界が到来し、国内のリテール金融は業界の垣根を越えた“戦国時代”に突入した。低金利下では脇役だった個人向けビジネスは、各行が将来の成長を懸けて争う主戦場へと一変している。

 ただし、3メガバンクが一斉に動きだしたわけではない。先陣を切ったのは、三井住友フィナンシャルグループの総合金融サービス「Olive(オリーブ)」だ。

 Oliveの開始時期について、三井住友銀行の福留朗裕頭取は「金利がこれから上がるタイミングでローンチしたが、構想自体はその2年前から準備していた。デフレ脱却が見通せない時期にこれを企画した当時の経営は、先見性があったと思う」と振り返る(詳細は『三井住友銀行頭取が語る2026年の「市場との向き合い方」、金利上昇・インフレ・円安の世界で取り組む“2つの重点領域”とは』を参照)。

 競合であるみずほフィナンシャルグループ(FG)の木原正裕社長も「低金利環境で果敢にリテールへ投資したことは本当に見事だ」と評するほど。Oliveの口座数は「5年で1200万」の目標に対し、2年半で既に650万超と、早くも折り返し地点に達した。

 では、先行するOliveを追う三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、みずほFGの現在地はどうなっているのか。

次ページでは、3メガバンクに加え、PayPay経済圏や楽天経済圏などの主要経済圏、SBIホールディングス(HD)やOpenAIなど重要プレイヤーとの関係を図解し、メガバンクが主導する2026年版の「リテール新経済圏マップ」を大公開する。