こうした状況もあり、今回の社長交代を、視聴率低迷と業績不振に対する「事実上の豊田氏引責」と見る向きは多い。ある株主は会場で「経営不振は日枝会長にも責任があるのに、会長に居座り続けるとは……。まるでトカゲの尻尾切りじゃないか」と疑問を呈した。

 1980年代から視聴率競争で常にトップ争いをしてきた同局だが、前述のように、今や往時の勢いは見る影もない。唯一希望が持てる話題は、フジの黄金時代を築いた名物プロデューサーである亀山氏が、フジテレビの社長に抜擢されることだろう。

 亀山氏は1980年の入社後、『ロングバケーション』『踊る大捜査線』などの人気ドラマをプロデュース。近年は映画事業部門で『踊る大捜査線 THE MOVIE』『海猿』など、テレビドラマの劇場版を次々にヒットさせた。常務に就任したのは昨年6月だ。しかし、亀山氏の抜擢だけで視聴率低迷を挽回できるかどうかはわからない。

フジは時代に取り残されてしまった?
「韓流押し」「懐古主義」に不満の声

 株主からの質疑でも「フジテレビはもう、時代に取り残されてしまった」という視聴率低迷に対する批判が多かった。これに対する会社側の回答は次のようなもの。

「短期的にはドラマ、中期的にはバラエティ、中長期的には報道情報番組をテコ入れしていく。4月の番組改編以降、1~3月期よりも視聴率は上がっているので、反転攻勢に向かっている」(太田副社長)

 番組の内容についても株主の不安は大きく、北海道から来たという株主とのやり取りはこんな風だった。

「『韓流押し』が視聴率低下につながっているのではないか。ネットではフジテレビの韓流押し批判が続いている。そういう批判が結果的に企業価値を落としているのではないか」

「今はかなり減っている。韓流ドラマやK-POPもニーズがあるから放送してきた。数字の低迷は金属疲労みたいなもので、韓流とは関係ない」(太田副社長)