5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」 氷河期、バブル…どの世代が損をした?#11Photo:JIJI

ゼネコン大手各社の採算が劇的に改善している。資材高や人件費高騰の逆風の中でも追加工事の獲得や価格転嫁が進み、価格決定力が発注者側からゼネコン側に移る構造変化が起きた。各社は業績予想を相次いで上方修正している。だが、もうかっている会社でも、世代別の取り分は均等ではない。今回は大林組、大成建設、清水建設、鹿島を取り上げる。4社の中で、世代間の「年収格差」はどうなっているのか。特集『5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」氷河期、バブル…どの世代が損をした?』(全39回)の#11では、過去20年間の推移を10年刻みにして、5世代別の平均年収と主要100社内のランクを独自試算した。その結果、大林だけが現役世代で「勝ち組」「負け組」がくっきり分かれる異変が起きた。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

採算改善で増益ラッシュのゼネコン
それでも世代間の損得は会社で割れる

 資材価格の高止まりと人手不足という二重苦の中で、ゼネコン各社が採算を押し上げている。鍵となっているのが、設計変更などに伴う利幅の大きい追加工事の獲得と、物価上昇分の価格転嫁だ。人手不足を背景に発注者側がコスト増を受け入れる土壌が広がり、ゼネコン側に価格決定力が移るという力関係の逆転が起きている。

 大林組は国内建築で追加工事の獲得やコスト低減が進み、2026年3月期の純利益見通しを前期比17%増の1700億円へと上方修正した。清水建設も国内建築・土木での採算改善に加え、政策保有株の売却益も追い風となり、純利益見通しを前期比67%増の1100億円へと大きく引き上げた。

 大成建設も長年の課題だった不採算工事の解消が進み、25年4~12月期の建築事業の完成工事総利益率が10.9%へと急改善し、同期間の最高益を更新した。鹿島は、建設業で初となる売上高3兆円突破を見込む中、深刻な人手不足に対応すべく、次期社長に就任予定の桐生雅文氏の下でAIやロボットを活用した生産性向上を急いでいる。

 もっとも、業績が良いからといって、社員の処遇が世代横並びで改善するとは限らない。むしろ「どの局面で会社にいたか」「どの賃金カーブ・評価制度に乗ったか」で、同じ会社の中でも「得をした世代」と「割を食った世代」が生まれる。

 今回は大林、大成、清水、鹿島を取り上げる。4社の中で、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたのか?ダイヤモンド編集部は、過去20年間を10年刻みにして、「5世代の年収」と「主要100社内の年収ランク」の推移を独自に試算した。

 対象としたのは、2000年代から現在までの、20~50代の現役世代から、60代と70代のOB世代まで。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収序列は高かったのか」。これらを徹底検証し、47項目のデータとして残酷なまでの格差をあぶり出した。

 試算の結果、大林は他の3社とは異なり、現役世代の中で「勝ち組」「負け組」が大きく分かれた。一方の大成、清水、鹿島は、シニア世代が共通して割を食ったが、勝ち組の顔触れはそれぞれ異なった。次ページでその詳細を確認しよう。