Photo by Yoshihisa Wada
食品スーパーのライフを展開するライフコーポレーションは、関西と関東の都市部に重点的に出店し、成長を遂げてきた。近年は健康・自然志向のプライベートブランドであるBIO-RAL(ビオラル)の単独出店も進めている。人件費や地価などのコスト上昇、異業種の食品取り扱い強化、人口減少など厳しさを増す市場環境の中で、どのような成長戦略を描いているのか。特集『スーパー新戦争』の#9では、岩崎高治社長に話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)
インフレ下のディスカウンターは脅威
新ブランドの集客力に手応え
――人件費や地価などあらゆるコストの上昇に加え、ドン・キホーテの食品強化型業態ロビン・フッドなど競合も増えています。成長戦略を描くことが難しい環境にあると思いますが、現状をどう捉えていますか。
今のようなインフレになる前の20年間は、1品単価が下がるデフレの時代で、安売り競争を続けてきました。人口も減少し始めていたので、ますますシュリンク(縮小)することにつながっていました。その環境では小売業としては、他社と同じ商品を扱うなら、少しでも安く提供するように努力しなければなりませんでした。一方で、当社は安売り競争ではなく、付加価値を高めるために、オリジナルの商品やサービスを磨いてきました。当社は安売り競争ではなく、付加価値競争をしようとしていました。
競争は厳しいですが、かつてのデフレから脱却したことは良い流れだと思います。もちろん、年金で暮らされている方や給料がなかなか上がらない方もいると思いますので、そうした人にとっては今のインフレは非常に厳しい。当社はそういう方にもしっかり対応しなければなりません。
――ライフはすでに関西と関東の中心部に多くの店舗を持っています。人口減少が進む中で、スーパー各社やディスカウントストアは人口密集地である都市部への出店を進めようとしています。ライフにとっては、ライバルが増えることになりますが、どうみていますか。
特に地方では人口が減少していますので、近畿や首都圏、中京など人口が減らない所へ出店したいと考えるのは、どの小売りも同じなのでしょう。当社としても、自分たちの店舗の商圏に、どんどん違うエリアから出店していると捉えています。
中でもロピアやオーケーなど、価格の競争力があるディスカウントストアが参入してくると脅威ですね。社内でもよく言っていますが、デフレ下でのディスカウントストア業態の魅力と、インフレ下でのディスカウントストア業態の魅力は、感じ方が違うのだと思います。1品単価が上がっている今のようなインフレ下では、業態の魅力は高まると思います。
――主力業態のライフのほか、BIO-RAL(ビオラル)や恵比寿ガーデンプレイスに出店したセントラルスクエア、都内小型店舗など、さまざまなフォーマットを使って出店しています。今後のフォーマット戦略はどう考えていますか。
ビオラルは、ここ数年でお客さまに認知されてきていると思います。ビオラルは東京・新宿三丁目のマルイ本館の地下に出店しているのですが、2025年12月31日は全館休館の予定だったんです。ワーク・ライフ・バランスを考えて、私たちも休みにしようと思ったんですが、都内店舗の店長たちがぜひやりたいと言ってきました。それでマルイにも話して、店を開けることにしたのです。
私は当日、見に行ったのですが、確かにお客さまに来ていただいていました。吉祥寺も店を開けていたのですが、こちらも同じくお客さまがいらっしゃっていました。目的を持ってわざわざ来店いただいていることを見て、集客力がついてきたと実感しました。
セントラルスクエアも同じく目的を持って来ていただけるお店です。通常は商圏は1キロメートル圏内ですが、10キロは取れます。
――小型の都市型店舗は東京・本郷三丁目に出店していますが、今後の計画は?
コンビニエンスストアは50~60坪程度で、そこまで小さな店はできないと思いますが、今後、小型店は挑戦していきます。
ライフコーポレーションは大阪や東京の都市部でのシェアが高く、都市部への出店を強化する郊外型スーパーやディスカウントストアなどの攻勢を迎え撃つ格好だ。ライフは独自のフォーマットを確立しつつあり、マルチフォーマットでの出店で地盤を守る戦略を立てている。その中で小型店舗の開発について、岩崎社長はアクセルを踏む考えを述べた。次ページでさらに詳しく聞いた。







