同調する者~「俺たちはおねだりじゃない」
Uターンで飲食店街立ち上げた管理人

「『復興』を別の言葉に変えてもいいという意見が大半でしたね」と夜明け市場の管理人の松本さん。オープン当初は2軒だった店舗も現在11軒に増加。路地の回遊効果でリピーターも多く、各店の集客数は順調だ。「最初は復興だと思ってやっていたが、軌道に乗ったのに『復興』の看板を使い続けるのには違和感がある。復興にぶら下がってやっているわけじゃないと思いたい店長さんも多いですね」と説明する。

「夜明け市場は復興というより、町づくり」と管理人の松本丈さん

 いわき市出身の松本さんは、建築士の資格をとった後、同郷の仲間が立ち上げた、47都道府県の活性化を目指す会社「ヨンナナプランニング」に合流。福島の郷土料理店と移動販売車の事業を始める直前に震災が起きた。かつては炭坑夫相手の酒場がひしめいたいわき市だが、他の地方都市と同じく、バブル崩壊後に郊外型店舗の進出が進み、中心市街地の客足が減少。震災前から空洞化に悩まされていた。

「高校生の頃から遊ぶところがない町でした」。松本さんは帰省するたびに、町がさびれていくように感じた。「町ってもっと面白くあるべきだと思うんです。夜明け市場は復興というより、町づくり。たまたま震災がきっかけとなったけど、おねだりして何かを作ってもらう姿勢ではなく、自分たちで町を盛り上げるチャンスととらえています」

 看板から外したくなる「復興」とは何か、聞いてみた。「震災後、復興という名前がつけば何でもいいというように、地域にコンサートやイベントが押し寄せた。祭りの後のような今、あれは何の意味があったんだろうかと思うことがある。やった側がやりたかっただけじゃないのか、偽善だったのかって。『町に元気を』というお題目はいいけど、『復興』を押しつけられて地元の人が疲れている部分がある」。