政権与党(自民・公明)が完勝して、参院選が終わった。2007年の参院選で自民党が大敗して生まれた「衆参ねじれ国会」は、ここに終止符を打つことになる。安倍政権は信認を受けた形となり、少なくとも向こう3年間は安定政権が続くことになる。これは、2001年の小泉政権以来のことである。

数字から見た参院選の結果

 自民党は非改選と合わせて115席となり完勝したが、これは、奇しくも2004年の小泉政権時と同数である。振り返ってみると、自民党は、1984年の中曽根内閣の衆参ダブル選挙で圧勝したが(142議席)、「山が動いた」(当時の社会党の土井委員長)1989年の参院選で109議席にまで落ち込み、過半数(122議席)を割り込んだ。その後、2007年の大敗(83議席)を底に、一度も過半数を回復したことはない。今回獲得した115議席が(2004年と並んで)最高である。

 政党支持率が顕著に表れる比例代表区の得票状況を見ると、次表のとおりである。

 自民党は前回の参院選により約400万票強を上乗せした。昨年の衆院選からも約200万票弱上乗せしており、景気回復にかける期待票が集まったことが見て取れる。公明党は前回とほぼ同じ得票数であり、固定票が底堅いことを示している。

 民主党は約1100万票減らした。惨敗と言ってよい。昨年の衆院選からも約200万票強減らしているが、これは自民党の上乗せ分とほぼ拮抗している。日本維新の会は約500万票増やしたが、前回は立ち上がれ日本だったので、比較にはならない。昨年の衆院選と比べると、約600万票弱も減らしており、実態的には民主党に次ぐ敗北だったと考えられる。