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国内の金利上昇の追い風を受けて、業績が絶好調の銀行業界。果たして、死角はないのか。特集『業績、株価、賃金、就職… 5年後の業界地図』の#8では、銀行業界の競争力を分けるポイントと、業界の中でも有利なポジションに付ける企業を紹介。メガ、地銀の注目銘柄について解説しよう。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
銀行業界は引き続き絶好調
競争力を分けるポイントは?
今年7月、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が初めて日本企業の時価総額で首位に立った。金融機関がトップになるのは1986年の住友銀行以来、実に40年ぶりのことだ。低金利下で長らく苦境を強いられてきた銀行セクターだが、大きな転換を迎えた象徴として大々的に注目を集めた。
ここ数年、銀行各社の業績は極めて好調だ。三菱UFJFGの2026年3月期の純利益は前期比30.3%増の2兆4272億円を記録。三井住友フィナンシャルグループ(FG)、みずほフィナンシャルグループ(FG)もそれぞれ34.4%増の1兆5830億円、41.0%増の1兆2486億円と最高益を更新しており波に乗る。
その原動力の一つとなっているのが、日本銀行の利上げに伴う資金利益の増加だ。資金利益とは、貸出金の利息や有価証券の配当などの資金運用収益から預金利息などの資金調達費用を差し引いた、いわば銀行の“本業”部分のもうけ。例えば三菱UFJFGでは、国内の預貸金利回り差が25年度第4四半期には1.05%と前年同期の0.93%から上昇しているほか、資金利益も25年度は3兆0062億円と高水準にある。
ターミナルレートまでの距離がまだある中、日銀の利上げ局面はしばらく続く上に、設備投資やデジタル投資、M&A投資などの活発な活動に支えられて、企業などの資金ニーズも堅調の見込み。従って、今後数年間は、銀行セクターの“ゴールデンタイム”が継続するというのがアナリストの共通の見解だ。
「もともとバリューセクターだった銀行が、いまや成長セクターになっている。一方、バリュエーションは成長セクターの水準ではないため、株価のアップサイドがより期待できるほか、今後各社のROE(自己資本利益率)改善や、PBR(株価純資産倍率)とROEの相関性が海外水準になれば、メガバンクでPBRが2倍を超えてもおかしくない状況だ」。ゴールドマン・サックス証券の黒田真琴アナリストはそう指摘する。メガバンクのPBRが1.6~1.8倍程度の中、投資観点でも妙味が多いのが銀行セクターといえるだろう。
このように、いまや絶好調の銀行業界だが、そこに死角はないのか。あるいは、銀行業界の中でも、“優勝劣敗”を分けるポイントは存在するのだろうか。
実は、直近の銀行業界が抱えているとある“課題”から、今後各社の競争力を分けるポイントが見えてくる。メガバンクと地銀、あるいは地銀の中でもどの企業が強い競争力を持つのか。次ページでは、そのポイントについて解説するとともに、今後注目すべき企業を解明していこう。








