8月は、暑さのせいで食欲もかなり落ち、体にダメージが出てくる頃です。汗が大量に出るので、小まめに水分補給して体内を潤すことが大事です。

 この季節、トウガン、キュウリ、ナス、トマト、スイカ、メロン、ナシと体を潤す味覚が多く出回ります。しかし、これら「冷たい」ものは体を冷やすばかりでなく、体を疲れさせるので、おいしくても食べ過ぎには注意してください。

 食べ物だけでなく、体をじかに冷やすことも考えもの。暑いからと、湯船に入ってから水を浴びたり、水風呂に入ったりしていませんか。そのときは気持ちがよくても、開いていた毛穴が締まり、体の熱が発散できなくなるため熱がこもってしまいます。のぼせのある人は特に要注意。

 とても疲れを感じるときは、温かくて吸収のよいものを取ることをお勧めします。この季節、特に補いたいものは生命エネルギーともいえる「気」です。気は汗と共に出てしまいますので、この気を補う食材、山芋、鶏肉、干しシイタケなどを取るよう心がけましょう。気を補い体の津液(体液)を生じさせてくれる料理は消化吸収のよいスープで取りましょう。

 お薦めは、韓国料理の「参鶏湯」。鶏を丸ごと使い、気を養う薬用ニンジン、もち米、クコの実などを入れたまさに夏バテ解消スープです。参鶏湯を作るのが面倒なら、簡単に作れる夏バテ解消スープを。

 干しシイタケを戻し汁で煮て、酒、すりおろしたトウガン、鶏肉を入れて塩、こしょうで味を調え、最後にすりおろした山芋を全体に流し入れ、沸騰したらすぐに火を止めて熱いうちにいただきます。

 辛味と酸味の入った「サンラータン」もお薦めです。刻んだトウガンを透き通るまで鶏ガラスープで煮てトマトを加え、豆腐、溶き卵を加えて酒、醤油、塩、こしょうで味を調えオクラなど青みを加えます。おわんに酢と豆板醤を少量入れて熱いスープを注いで。

 酸味は食欲増進効果もありますが、出過ぎる汗を抑える効果もあります。夏バテしたら酸味を意識して取りましょう。

●お料理ヒント
山芋はすりおろしてご飯や麺類にかけて。疲労回復物質が含まれている鶏胸肉を蒸し、野菜と共にごまだれソースをかけバンバンジーに。干しシイタケは戻して甘辛く煮て刻み、そうめんやそばに付け合わせて。