社会保険料引き下げは可能か?現役世代の負担軽減のカギが「第3号被保険者」見直しである理由Photo:PIXTA

高市政権は「骨太方針2026」で、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げを目指す方針を掲げた。高齢化で医療・介護費が増える中、給付削減だけで実現するのは容易ではない。そこで焦点となるのが、厚生年金や健康保険の適用拡大と「第3号被保険者制度」の見直しだ。制度を支える人を増やすことで、保険料率を抑えることは可能なのかを検証する。(大和総研金融調査部主任研究員 是枝俊悟)

給付削減だけではない
「社会保険料率引き下げ」の方法

 高市内閣が初めて取りまとめた「骨太方針2026」には、社会保障改革を進め現役世代の負担を軽減させる方針が示された。社会保障改革というと、高齢者向け給付の削減ばかりが注目されがちだ。

 しかし現実には、負担の担い手を広げることで保険料率の上昇を抑える方法もあり、「第3号被保険者制度の見直し」もその有力な候補となる。政府・与党で今後議論となり得る選択肢を整理してみたい。

 2026年7月21日に高市内閣が閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2026」(骨太方針2026)では、「現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指す」方針が示され、「2027年度の社会保障負担率が2025年度と比較して上昇しないよう取り組む」ことが明記された。

(社会)保険料率はミクロでそれぞれの労働者の賃金に適用される厚生年金や健康保険などの保険料率であるのに対し、社会保障負担率は、マクロの社会保険料総額を国民所得で割った値である。両者はおおむね相関するが、若干の違いがあり、引き下げに向けたハードルが異なる。

 次ページでは、その違いを解説するとともに、「社会保険料率の引き下げ」が可能かどうかを検証してみたい。