「ポジティブ・シンキング」ではうまくいかない

 私も一生懸命ポジティブ・シンキングをやろうとしたのですが、「ポジティブなことを考えなきゃ」と思えば思うほど、ネガティブなイメージが湧いてきてしまい、どうしても打ち消すことができなくて自己嫌悪になり、ますますネガティブになるという悪循環におちいってしまいました。

 そんなふうに何日も過ごして「もう無理!」と思った私は開き直りました。自分は弱い人間だからネガティブな考えをもつことを許そう、いったんネガティブを受け入れたうえで、その中から「よいこと」を探して切り替えよう、と考え方を変えたのです。

 すると、いろいろなことがうまく回りはじめました。例えば、契約を断られて落ち込んでも「自分の説明の足りないところがわかってよかった」などと陽転して切り替え、次には成約するといった結果が出たのです。

 こうした経験から身に付けた私なりの陽転思考を、書籍や講演などでお伝えしています。

 2004年から毎年開催している体感型セミナー「わくわく伝染ツアー」では、毎年違うテーマを設定しますが、そのベースにあるのはやっぱり陽転思考です。

 スケジュールにしても、仕事や生活にしても、デジタル化して効率のよいものがいいという人も多いですが、私は人の手が加わったアナログのほうが、より記憶に残りやすいと思っています。そこに生の体験があるからです。この「わくわく伝染ツアー」も手帳も、まさに体感することによって自分なりの方法を見つけたり、人間力やセンスを磨いたりできます。