年初というのは、その1年を占うようなニュースが飛び込んでくるものだが、今年は特に大きなニュースが世界を駆け巡った。
まず、ハイチの地震である。1月12日16時53分(現地時間)、ハイチの首都ポルトープランス近郊でM7.0の大地震が起こったのはご存じの通り。国民のおよそ3分の1にあたる300万人が被災したといわれ、ネット上ではさまざまな支援策がアナウンスされている。そして、皮肉にもこの惨事が、日本の寄付気運を高めている。
日本では95年に阪神・淡路大震災が起こったが、この時、日本全国からボランティアが集まり、支援活動を行なった。これをキッカケに、ボランティア活動への関心が高まり、多くのNPOを生み出すことにもなった。95年がボランティア元年といわれる所以である。
今回のハイチ地震では、日本に住む普通の人間ができることはNGOへの寄付くらいしかない。しかし、そのことがかえって、寄付に対する関心を高めているようだ。何かしたいけど寄付しかできない。だから寄付に関する関心が高まっている。Twitterなどでも、さまざまな寄付システムの情報が飛び交っているし、これまで寄付の話などしたこともないような知人からも寄付に関する情報が寄せられている。この状況を見ていると、後年、2010年が日本の寄付文化元年と言われるようになるかもしれない。
参考までに寄付システムの一例を挙げよう。iTuneで手軽に寄付が出来る仕組みだ。めちゃくちゃ簡単。寄付先は米国の赤十字社だ。
さて、もう1つのビッグニュースは、マーケティングに関するものである。
なんと、あのペプシがスーパーボウルのCMから撤退し、ソーシャル・マーケティングに注力するという。詳細はこちらの記事を参照して欲しいが、このご時勢に、社会貢献キャンペーンに2000万ドル(約18億円)もの予算を投じるという。おもしろいのは、このプログラムがコンテスト形式になっていて、ネット投票によって支援先が決定されるというもの。ソーシャル・マーケティングは、企業がNPOに寄付すればよいというものではなく、より多くの生活者を巻き込んでいくことが大切なので、その意味でも正しいマーケティングだといえる。
なにより、ペプシという大量消費文明を象徴するような企業が、マス広告の王様であるスーパーボウルのCMを蹴って、社会貢献とネット・コミュニティという二重の意味で「ソーシャル」なマーケティングにシフトした。マーケティング界の市民革命である。時代の大きな変化を感じさせてくれる。
ソーシャル界に新種登場!
「社会貢献する ミス・キャンパス」
さて、時代が変わるときには、さまざまな「新種」と呼べる人たちが現れるもので、当連載でも「借金してでも社会貢献したい若者」や「シリアスに社会貢献活動するギャルとギャル男」とか「一流企業を辞めて国際協力の世界に飛び込むキャリア女性」など、さまざまな新種の人たちを紹介してきた。今回、ご紹介するのは「社会貢献する ミス・キャンパス」である。