DSC-G3
ソニーが満を持して発売した、インターネットに直接アクセスできるデジタルカメラ「DSC-G3」。シンプルなボディには、デジカメの常識を覆す機能が搭載されている。

 ソニーからインターネットに直接アクセスできるデジタルカメラ「DSC-G3」が発売された。本連載でも、何度かこの手の情報を書いてきたし、他の記事を含めれば5年以上前から、この日がくるのを僕は待ちわびていた。

 DSC-G3には無線LAN機能が内蔵されており、カメラの画面を利用してインターネットにアクセスできる。もちろん、単にWebページを見るだけなら、別にカメラである必要はない。携帯電話やスマートフォンで十分であり、かつすでにそんな端末などごく当たり前に存在する。

 このカメラの意義は、撮影したデータをそのままアップロードできる点にあるのだ。これまでのデジカメは、記録媒体としてメモリーカードを利用していた。撮影した写真はメモリカードに蓄えられ、PCに転送して保管するのが、普通の使い方だったのだ。

 ところが、インターネットに接続したデジタルカメラの概念は、これまでとは全く変わってくる。

 撮影した画像は、一時的にカメラ本体のメモリに蓄えられるが、その後いくらでも、自由にインターネットに転送できる。大量の写真を撮影しても保存容量を気にする必要がなくなるわけだ。こうなると、数年後には、メモリカードを使う人がほとんどいなくなる可能性もあるだろう。

 さらに、たとえば出張先で撮影した写真を、リアルタイムで会社にいるスタッフがチェックすることも可能だ。

 当然だが、ビデオにも同じことは言える。将来的には、撮影したハイビジョンビデオを一時的にメモリに蓄えつつ、自動でサーバーにアップロードされる日も来るだろう。

 これは、カメラ自体の記憶容量が無限になるだけでなく、データの管理面でも絶大な利便性がある。

 サーバーにアップロードしてあれば、PCを買い換えてもファイルを移動する必要がない。また、友人や知人に写真やビデオをプレゼントする際も、メールで送ることを考える必要はない。必要な写真だけダウンロードできる仕組みが、すでに確立しているわけだ。