コーラなどの着色に用いるカラメル
カラメル4は米国で警告されるほどの危険性
安部 私の講演では、「甘いのにどうしてカロリーゼロなのですか?」という質問がよく出てくるので、「それは食べ物じゃないからですよ」と答えていますね(笑)。ともかく、人工甘味料自体の安全性もさることながら、食品添加物を生成する途中の工程で発生した副産物のことも、うやむやにされているのが現実ですね。
大西 添加物の表記も大まかすぎるのではないでしょうか。
たとえばカラメルの場合、きちんとカラメル1~4のいずれかを明記すべきですよね。糖類を加熱するという昔ながらの製法はカラメル1のみで、カラメル2は糖類に亜硫酸化合物、カラメル3は糖類にアンモニウム化合物、カラメル4は糖類に亜硫酸とアンモニウム化合物を加えたうえで、高圧・高温下で化学反応を発生させて製造しています。
安部 その結果、カラメル3と4では、砂糖とアンモニアの化学反応によって「4-メチルイミダゾール」という発がん性物質も生成されてしまうわけですよね。日本は醤油文化なので多くの食品にカラメルが使われていますが、醤油や佃煮の一部では危険視され始めたカラメル3と4の使用を避ける動きがある一方で、酸性に安定なカラメル3と4の特性からコーラなどの炭酸飲料にはいまだに沢山使用されています。
大西 米国毒性プログラムも動物実験の結果として、「4-メチルイミダゾール」に発がん性があることを報告しています。「4-メチルイミダゾール」については、典型的な「カロリーゼロ」飲料である「コカ・コーラ ゼロ」も使用されているようです。それに、こうした「カロリーゼロ」のコーラにはナトリウムも含まれていて、スナック菓子などを食べながら飲むと、塩分の摂りすぎになります。
安部 最近は、飲料でもトクホ製品が増えましたが、安全性が担保されない一面があるのに、どうして国がトクホというお墨付きを与えて販促するのか不思議ですよ。食品業界では「トクホはカネを積めば認定がとれる」とも揶揄されているほどで、乱発している現状ではとても信用できない。現にトクホについては、抜本的に見直しを図るべきだという声も上がっています。
トクホの先駆けだった花王の「エコナ(植物油)」も、血中中性脂肪が上昇しにくいことを売り文句としていました。同製品は、油をいったん分解し再び合成してつくられた乳化剤ですが、その中に含まれていたグリシドール脂肪酸エステルに発がん性があるとの指摘を受けて、販売開始から10年後の2009年に販売中止になりました。