『笑っていいとも!』が来年3月で終了。このニュースが全国を駆け巡ったのは10月22日のことだった。1980年代から30年以上も放送された長寿番組の終了宣言に、驚きの声が上がった。また、先だって放送終了となったNHKの朝ドラ『あまちゃん』も、ストーリーの随所に散りばめられた「80年代テイスト」が話題となったのは記憶に新しい。今後は『あまちゃんロス』に加えて『いいともロス』も増えそうだが、70~80年代を想起させる朝ドラの人気ぶりと、80年代に始まった人気バラエティ番組の終了への反応に、やはり1980年代はテレビの黄金期だったと思わされずにいられない。翻って、現在テレビ業界を取り巻く環境は厳しい。「テレビがつまらなくなった」と言われて久しいが、80年代の黄金期にあった熱は今のテレビにはないのか。テレビ復権の見通しはあるのか。人気番組の終了を機に、視聴者や専門家の声を交えながら、改めて検証してみたい。(取材・文/プレスラボ・小川たまか)
『笑っていいとも!』放送終了の衝撃
「あまロス」に加えて「いいともロス」も?
「来年の3月で終わります」
10月22日、突然の発表だった。国民的長寿番組『笑っていいとも!』のいつもと同じエンディングトークに、違う曜日のレギュラーである笑福亭鶴瓶がいきなり登場。鶴瓶から投げかけられた「いいとも終わるんやって。ほんま?」という問いに、司会のタモリは淡々とこう答えたのである。
観客席からも「えー!?」という声が上がったが、そのあっさりとしたようにも見えるやりとりに、どこかにまだ「まさか……」「信じられない」という雰囲気があった。
ネット上ではすぐに「いいとも終了」の報道が流れ、その後も新しい報道が引っ切りなしに続いている。筆者の見ている限りではあるが、この記事を書いている10月23日20時現在まで、ヤフーニュースのトピックスにあがる8記事のうち、1記事はタモリ関連の記事が占め続けている。
最近では視聴率が低迷していたとはいえ、それほど『いいとも!』の終了は衝撃的だった。たとえ番組を長らく見ていなくても、内容が何となく想定できる。たとえれば、「しばらく会っていない友達」のような安心感が『いいとも!』にはあった。ここ数年、終了の噂が何度も流れていたが、実際に終わるとなると改めて感慨深いものがある。