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ユーザーが嫌がることはしない
それをやったらLINEはただの「ハリボテ」に
――舛田淳・LINE執行役員に聞く【後編】

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第32回】 2013年12月3日
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まずはデザインありき
説明が必要な機能はいらない

――新たなサービスを次々に開発していますが、LINEが重視しているのは、アイデアか、それを支える技術力か、どちらでしょうか。

 結論は両方ですが…。たとえばちょっと前のインターネットサービスは、技術がフロントに出ていました。「技術でこんなすげえことやったぞ」と。我々も技術に自信はありますが、フロントに出す必要はないと思っています。あくまでも生活を変えたり、価値観を変えたり、そういったものが先にあるべき。そのためにどういう技術が必要かと考え、弊社の技術陣が一生懸命できるようにする。LINEの開発力は世界有数、開発速度もとんでもなく速い。これは強みです。

 もう1つの強みは、視点を変えられる企画担当者がいることです。インスタントメッセンジャーは昔からありましたが、「コミュニケーションを誘発させることが、スマートフォンの時代には必要になる」、そういう視点で考えられる人がいるということです。その結果、それが新たなカテゴリになっていくのです。

 さらに、それを表現できるデザイナー陣がいる。これらが結びついてLINEができています。ゲームやマンガなど、後発で参入したサービスでも、LINEのオリジナリティを感じていただいているのは、視点が違うから。つまり、カテゴリそのものではなく、カテゴリのなかをイノベーションしているということです。

――LINEは使いやすく、押しつけがましくないインターフェイスが特徴です。どういう意識で設計しているのでしょうか。

 全てにおいて「シンプル」であるべきだと思っています。グローバルでサービスを展開するなら、説明しなければ使えない機能はあってはならないと。だからまずデザインから入ることも多いです。このコンセプトなら、このデザインだよねと。そこから入るので、インターフェイス上に邪魔なものはそもそもない。

 たとえばLINEを立ち上げると、最初に「友だちリスト」が表示されます。これは、コミュニケーションサービスだから。次に「トーク」がある。「チャット」ではなく「トーク」としたのは、実際に会って話すようにコミュニケーションしていただきたいという思いがあるからです。ここでは、会話がフキダシで表示され、見たら「既読」と出ます。詳しい説明をしているわけではありませんが、この画面から我々の思いを感じ取っていただけると思います。

 収益源であるスタンプやゲームのアイコンは、LINEを立ち上げたときは見えません。一番端の「その他」をタップしないと、スタンプショップは表示されないし、ゲームに至っては別アプリになっています。LINE自体にゲームを入れたほうがユーザーを誘導しやすいのですが、それは我々の勝手な都合に過ぎません。ユーザーにとっては全く関係ないことなので、別アプリにして、LINE自体は軽く速く使えるようにしています。

 当社はデザイン(User Experience)を本当に重視しています。企画段階で「この機能はユーザー体験を損なうからいりません」と言える権限がデザイナーにはある。それくらい責任を持ってデザインしてもらわないと、いいものはできないからです。したがって当社はエンジニアが頂点にいる構造ではありません。エンジニア、デザイナー、プランナーやディレクター、それぞれがプロフェッショナルとして活躍しているという感じです。

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