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ユーザーが嫌がることはしない
それをやったらLINEはただの「ハリボテ」に
――舛田淳・LINE執行役員に聞く【後編】

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第32回】 2013年12月3日
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ユーザーのつぶやきを集めて
全社員に回覧しサービス改善

――2年ほど前にLINEが登場したころと比べて、細かい部分で設定がより親切に、ユーザーの側に立っているように感じます。たとえば公式アカウントを友だちリストに追加すると、まず通知機能をオフにする方法が案内されるところなどは驚きです。

 もとから「ユーザーが嫌がることはやめよう」という考えはありました。ただユーザーのことを全てわかるわけではありません。したがってリリース後のチューニングが大切で、その指針はユーザーの皆さんです。

 具体的にやっているのは、毎日1回、皆さんがツイッターやブログでつぶやいたことや、メディアの記事、サポート窓口への問い合わせ内容などを、集約して全社員に回覧することです。通知機能のオン/オフでいえば、「これ解除できるといいよね」「たくさん来て困る」という意見を各担当が拾い上げサービスに反映させています。また、ユーザーにも来社してもらい、モニターとしてリリース前のサービスに触っていただくことも毎週やっています。

 公式アカウントにしても、企業にお金を払ってなってもらっているのに、まず通知の解除方法を表示するなんて、ほかの広告メディアにはないと思います。でもそれは「ユーザーが嫌がることはやめよう」と企業側にもご理解をいただいている。ユーザー、パートナー、我々、みんなの思いが噛み合っているからこそ、LINEはうまく回っています。

――LINEには多くのユーザーがいます。年齢や性別といったユーザーの属性データを活用して広告配信する手法も考えられるのではないでしょうか。

 ビッグデータ的観点から見れば、LINEユーザーのデータは貴重なんだと思います。でも、LINEで交わされている言葉は「通信」ですので、当然、中身を見ませんし活用もしません。もともと、検索サービスをやっていた会社ですので、Gmailのように、トークやタイムライン内の言葉とマッチングさせた広告を掲載する技術はありますが、それはやりません。LINEはあくまでもプライベートエリア。ユーザーに安心して使ってもらいたい。だから時流に乗っていないといわれようが、それはやらないと決めています。

 また、広告はコンテンツだと思っています。ですから公式アカウントにしても、あくまでもユーザーに選んでいただきやすい企業に厳選しています。公式アカウントから企業が配信するメッセージも、ユーザーにとって得だと思う内容を投稿してくださいとお願いしています。

 それに、単純にユーザー属性を絞っても広告の確度が高まるとは思えません。どちらかというと属性よりも、ユーザーが過去どういう行動をしていたかが大事。そのためにはユーザーを追尾するのではなく、ユーザー自らが選んだものに対して、最適な広告を出すのが正解だと思います。だから公式アカウントはユーザーに選んでもらうことにしていて、いつでも解除できるようにしています。

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