前述の『料理物語』には、芹独自の調理法として、「芹 汁 あへもの せりやき なます いり鳥にいり」が書かれています。

芹の玉子蒸し
【材料】芹…1束/卵…4個/椎茸…3枚/人参…1本/出汁…60ml/酒…小さじ1/みりん…小さじ1/砂糖…大さじ1/塩…小さじ1/2
【作り方】①芹はよく洗って3cm幅に切る。椎茸は薄切りに、人参は千切りにする。②ボウルに卵を割り入れて溶き、出汁、砂糖、みりん、塩を加えて混ぜ、漉してから①と混ぜる。③型に②を流し入れ、蒸し器で蒸すか、ラップをして電子レンジで2~3分温め、一度ざっくり混ぜてから再び3分程度温める。串を通して卵液がついてこなければまな板に乗せ、食べやすい大きさに切る。生の芹の葉を少し乗せて。

 中でも「せりやき」はかなり古くからある調理法で、地面を掘り、石を並べてその上で火を焚き、石が熱くなったところに芹を乗せて莚《むしろ》などで覆い、芹がしんなりしたところで醤《ひしお》や柚酢《ゆずす》をかけて食べていたようです。

 戦場での野営の際に、戦国武将たちも舌鼓を打ったことでしょう。

芹の白和え
【材料】芹…1束/絹ごし豆腐…1/6丁(50g)/白味噌(西京味噌)…大さじ1/練り白胡麻…大さじ1
【作り方】①絹ごし豆腐、白味噌、練り白胡麻はすり鉢などでよく混ぜ合わせておく。②鍋にたっぷりのお湯を沸かして塩(分量外)を入れ、芹を根の方から10秒程度茹でた後、水にさらし、水気を絞って3cm幅に切る。③①と②を混ぜ合わせる。

 また昔から、芹にはさまざまな効用があると知られていました。

 江戸初期、寛永7年(1630年)刊行の『和歌食物本草』によれば、「芹は甘くて毒がなく、血を止め、精を養い、気力を増す」とあり、元禄10年(1697年)刊行の『本朝食鑑』にも、「大腸小腸の働きを良くし、黄疸を除き去る。酒後の熱を取る」とあり、肝臓にも良いとされていたことが読み取れます。

 実際に芹に含まれる栄養素を調べてみると、鉄分とカルシウムが貧血に効き、カロテンとビタミンCが抵抗力を高め、ミネラル分が血液の流れを良くし、精油成分が肌をきれいにし、ガンの予防にも効果的、とあります。