暮れからお正月は暴飲暴食続きになりがち。この時期、肝臓と胃はかなりお疲れ気味です。「肝と胃」が疲れると免疫力も落ちて風邪もひきやすくなちます。1月は寒さから腎を守るとともに、肝と胃を養生しましょう。
疲れた胃には、おかゆがお薦めです。薬膳では、おかゆには十徳があるといわれています。古書には「一、顔色光沢 二、気力は健康 三、寿命は延永 四、身支安適 五、言音清朗 六、飢えを消す 七、渇を消す 八、宿食(未消化の食物) 九、風邪を除く 十、大小便を調達する」と書かれています。これを読むと、まさに今話題のアンチエイジングの養生法ですね。
七草がゆは奈良時代から続く年中行事ですが、それなりの理由があったからこそ現代まで受け継がれてきたのです。七草をたたく(刻む)ときに歌われた「七草なずな 唐土の鳥が 日本の土地に渡らぬ先に……」の「鳥」は悪病のこと。今も大陸から鳥インフルエンザのような怖い病がやって来ますから、先人の知恵に倣ってさまざまな効能のあるおかゆをいただきましょう。
消化促進にはダイコンなど消化酵素のあるものを、お酒を飲み過ぎたときはセリ、春菊など解毒効果のある野菜を入れて。風邪のひき始めにはおろしショウガをたっぷり加えて、風邪の予防にはニンジンのすりおろしを加えます。皮膚の乾燥が気になる方はゴマや松の実などの種実類や牛乳がお薦め。中性脂肪、コレステロールが気になる方は干しシイタケの戻し汁と刻んだシイタケを加えて……と、さまざまに工夫。
おかゆは、おなかの中から体を温めます。冷え症で眠れない方は、ニラ、少しのショウガ(または干しショウガ)を加えて炊いたおかゆがお薦め。風邪予防には「気」の充実も欠かせないので、自然薯、ナガイモ、クリ、ジャガイモ、魚のタラなど「気」を養う食材を加えてみて。そして青菜、ニンジンなどのカロテンを含む野菜、ミカンなど柑橘類やキウイフルーツに含まれるビタミンCをたっぷりとって、寒さやインフルエンザの流行に備えましょう!
免疫力アップのおかゆ。米半合をとぎ、鶏がらスープ3合、すりおろした人参1本、5ミリ角に切ったナガイモ100グラムを加えて火にかける。沸騰したら混ぜて弱火で約1時間。塩少々と5ミリ幅に刻んだニラ少々を加えてひと混ぜしたら火を止める。