今年の冬至は12月22日。この日に向かって「陰」はどんどん増え、冬至を過ぎると少しずつ減っていきますが、寒さは一段と厳しくなります。冬の養生ポイントは、とにもかくにも体を冷やさないことです。
なかでも「腎(膀胱)」を守ることが大切。特に腎のつぼがある足首、そして腰回りを中心に、厚手の靴下を履いたり、下着を重ねたりするなどして下半身に寒さが入り込まない工夫をしてください。古代の養生本には、朝は日が出てから起き、夜は早く休むようにと書かれています。また、過度な運動も腎を損傷するといわれますので、控えた方がいいでしょう。食材は体を温め、「気」を養うものを中心にいただきます。
腎を養う栗、山芋、黒豆などは積極的に取りましょう。また、牛肉、ショウガ、ベニナツメは「脾(胃)」の働きを助け、ショウガ、シナモンは体を温めます。オレンジなどの柑橘類は香りで気の滞りを予防します。
寒さによって血液の巡りが悪くなっているので、辛味を少量取り入れて血の巡りをよくしましょう。しかし、汗を大量にかくほどに辛味の強いものは、体の熱を奪い、かえって体を冷やすことになるので注意します。
疲れやすい方はニンニク、ネギ、小豆、山芋、ナツメを取り入れ、貧血気味の方はホウレンソウ、蜜で煮たナツメがお薦めです。のぼせ、暑がりの方はホウレンソウ、黒ゴマ、バナナ、カモ肉、クコ、自然薯、ユリ根など、体の余分な熱を取るものを一緒に取ります。冷え性で寒がりの方は、羊肉、鶏肉、エビ、ニラ、シナモン、杜仲茶、冬虫夏草で体を元から温めます。
胃が疲れているときは鶏肉とベニナツメのおかゆに、すりおろしたショウガを入れることで胃の働きを助けます。気分が落ち込んだり、イライラしているときはオレンジ入りの白ワインがお薦めです。外出などで体が冷え切ったときはシナモン入り紅茶、ショウガ入り番茶を飲みましょう。杜仲茶は肝と腎を温めて足腰を冷えから守ります。
毎日の食養生で健康に冬を乗り切りましょう!
体を温め、肉、魚だけでなく野菜もたっぷり取れる鍋料理がお薦め。また、気を補う牛肉と大根、ニンジンの甘辛煮など。いずれも、ショウガ、ニンニク、ネギなど体を温める食材を入れるとよいでしょう。